おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

下関市 : 長門市場周辺の町並みとトマソン

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何年振りかに訪れた新地遊郭跡、官能的な叙情を味わったのち、新地町〜今浦町~竹崎町方面へ。

 

 

 

onakayowai.hatenablog.jp

 

 

厳密に言えば、遊郭地帯が置かれていたのは現在の「新地西町」に該当し、「新地町」はその中心地帯からはやや外れています。最盛期には「新地町」にも艶のある建物が軒を連ねていたようですが、今や往時の面影を残す建物もほぼ残っていません。

 

 

 

 

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厳島神社を背に、細い路地に入ります。神社のすぐ近くには高杉晋作の終焉の地と伝えられる場所があり、参道横には「晋作」という居酒屋があります。美味しいです。隣の商店も昔ながらの佇まい。



 

 

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鳥居の笠木がマンションへ突き刺さってる… というかマンションが避けています。

 

 

 

このあたりには市営団地が連立しており、都市計画公園が散見されますが、ベンチに座って携帯ゲームに興じる子供たちばかりで、かつてのように遊具で遊ぶ姿は見られません。忘れられてしまったかのようにぽつんと佇み、それでもなお住民たちの生活の移り変わりを見届けるポップなマンモスの滑り台。

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そのまま新地町を抜け、今浦町へ。

 

 

 

「まんなおし」(ここも美味しいよね)の前を通り過ぎ、左手に煙突を見やると…

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既視感。あれは確か新地遊郭跡周辺で見た美しき湾曲。

ここにもあります、「例のカーブ」。

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「えびす湯」さん。「千歳湯」さんに劣らずこちらも創業100年以上。この日は定休日でしたが、現在も営業中。ちなみに近くにあった「新富湯」さんはすでに閉業しておりました。

 

 

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やさしいアールと、柔らかなピンク色のタイル。

 

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間口は狭いが、奥へ長く建物が伸びている。

地域住民の憩いの場として、これからも末永く続いてほしい。

 

今浦町を南下、竹崎町へ。

 

 

 

 

長門市場。

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似たような通りが多いので写真では位置関係が分かりづらいですが、この一帯も市営住宅が連立しており、その殆どが1階部分はマーケット、2階以上が市営住宅となっています。マーケットは大部分のシャッターが降りており、空いている様子はほとんどありません。

 

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生活感はあるが、退廃的。団地特有の雰囲気は嫌いではないが、あまり居心地の良い空間とは言えない。

それでも惹かれてしまうのはなぜだろうか。

この危うさ・妖しさこそが魅力なのかもしれない。

 

 

 

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この界隈から一本東側の通りは「グリーンモール商店街」といい、コリアンタウンです(いずれそちらの記事も公開予定)。焼肉美味しい。

下関は朝鮮通信使の時代から半島とは縁が深く、釜山とは毎日フェリーでの往来があり、気軽に遊びに行く感覚で訪れることができる都市の一つです。したがって在日コリアンの割合も比較的多いわけです。

 

一応言っておきますが、ぼくは差別主義者ではありませんし、行き過ぎたナショナリズムも持ち合わせておりません。このブログは政治的な主張の場にすることもありませんので、これから書くことも特に他意はないです。

 

 

お察しください的なナンバーの型落ちの高級車が、その車格に似つかわしくエンジン音を轟かしながら闊歩し、マーケットの装テンの上には違法建築スレスレだと思われるバラック、やけに多い野良猫……ちょっと怖い。

 

 

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時刻は17時前。この後に所用があったため立ち去るが、時間があったとしてもあまり夜にうろつきたいエリアではない。

いや、ホントはうろつきたい。夜の雰囲気もしっかり味わいたい。

 

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この日撮影したトマソンを数枚。

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灰色の一帯、コンクリートの冷たさがどこまでも続いているように感じられ、体が冷え切ってしまっていたが、駐車場に戻る道中に見つけた、夕日に照らされた解体中の工場の螺旋階段が美しく、少し暖かい気持ちになった。

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ではまた。