下関市の階段巡り 長崎町から再開。
前回の記事
なんか久しぶりに下関の記事を書く気がしますね。地図を確認したら上条町のあたりも歩いていたようですが、初めて聞く地名です。下関市民でもこの辺は長門町もしくは長崎町という認識の方が多い気がします。
階段だけを見るべからず。路地の静謐さ、左手の石塀のシックな雰囲気、奥に見える外壁トタンのサビ感…。それらが渾然一体となった風景。
「廃」の匂いがする一帯を通り抜ける。
蛇行する階段、煉瓦敷きの坂道。
どこからか水が流れてくる。生活排水?
ネコちゃんと奥に見える階段。
あえて街区表示板を構図に取り入れてみた。町区の境目。
あ、この階段ぐっと来た。この階段のてっぺんからの風景もまた、誰かの生活の一部なのだ。
少しだけ階段を登って長屋風住宅。わかりやすく昭和。
上新地町の山際には、既に廃墟と化している家屋が多い。
解体されてしまったこの家は、廃材が整然と並べられていた。
斜面に立つ家屋の玄関・水回りタイルは解体時にそのままにされる傾向が強い。
これからこういう物件を「残されタイル」と呼ぼうと思います。
斜面に張り付くように建てられた家屋群。
人が住まなくなったまちの風化はどんどん進んでいく。
森のように見えるが…廃屋だ。
ほら。
この上にも下にも、斜面にへばりつくように家屋が並ぶ。
たとえ一軒ずつ自然に返っていこうとも、そこには確かに人々の生活があったのだ。
裸電球が似合う路地。
こういう景色の無いまちなんかにゃ住みたくないね。
ああ、点灯した姿が見たい…
ぐるりと回って先程の通行止めの反対側に出た。
さて、時折写っていた街区表示板で、お好きな方にはお分かりだろう。
「ぬけられますか?」
おお。
おおお。
おおおお…
っっおおおおお!
ぬけられました。
そう、「例のカーブ」である。
新地遊郭にほど近い山際を歩いて、千歳湯さんのトンネルを抜けてきた。
「例のカーブ」についてはこちらの記事をどうぞ。
さて、今回はここまで。
最後に千歳湯さんの向かいの食堂跡、「ぬけられます」するとすぐ目の前に現れるタイルの意匠をご覧頂きたい。
それでは。
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