企救半島の大半を占める門司区。半島の中央部は南北に走る山地となっており、居住部は山裾から東西の平野部にかけて広がる。半島の西側、関門海峡に面した観光エリアということもあり、その坂道・階段の多さはよく知られているが、東側の周防灘に面する新門司へ至る峠にもかなりの数の階段が見られる。今回はあまり知られてない階段密集地と周辺の町並みを見ていく。
門司港のレトロ地区よりも少し山側に、今回散策した庄司町がある。馬場遊廓とはさほど離れておらず、このあたりにも少しカフェー(特殊飲食店)があったのではないかと推察している。
さて、門司港に近いところから見ていこう。
いきなり面白いものに出会った。
もともと階段があったところに建物が乗っかったのだろうか?
石段が多く残っているのもこの地区の特徴である。
上から。なんと美しい…
蛇行する石段、鉱滓煉瓦のザラつき、ブロック塀のさりげないアーチ…
木々がグレーの石段に彩りを添える。
石垣の合間を縫って。
撮影日は2月だったが、オレンジ色の夕日が暖かく感じられて、気持ちは寒くない。
優しいカーブに落ちる夕日がもたらすノスタルジー。
わけもなくセンチになって、泣きそうになる。
トマソン化した小さな階段。
暗渠の小路。高い塀の内側には、立派な邸宅跡が。
さて、今日はもう帰ろう…。
季節は替わって初夏。
今度は山裾側から歩いていく。ちょうどこの右手の細道が町区の境目。
崖のように反り立つ石垣の上にある寺院。
まるで城郭のよう。
うららかな日差しと、新緑のエネルギー。
すぐそこに、夏。光に吸い込まれそうになる。
煉瓦の小路で、春の日差しに別れを告げた。
まだ夏のはじまる空を直視できなくて、曲がりくねった路地に逃げ込む。
んんん…ちょっとカフェーっぽい物件。
今回はここまで。
それでは。
つづき