石州左官による鏝絵が残る家並みと、遠浅で穏やかな海。
定置網漁で栄えた室津のまちを、初夏の日差しを浴びながら歩く。
これまでに書いた記事を見返してみると、山陰方面のまち歩きはあまり取り上げていなかったようだ。9月に入って、散歩するのに心地よい季節になってきたので、今後はこっちの方もいろいろ歩いてみようか。
さて、室津(下関)。同地名の港町は上関にもあり、そちらのほうがよく知られているのではないだろうか。
下関の方も何度か訪れたことはあるものの、実はあまり詳しくないのだ。まあぼくのまち歩きのスタンスとしては、あまりガチガチに下調べしないで気ままに歩くだけなので、のんびり見ていこう。ちなみに先日の記事と同じく、このときも友人と連れ立って歩いているので、彼のまち歩き術をいろいろと教えてもらいながら。
公民館に車を停めて、中心部まで歩く道すがら、「ジ・美容室」。
あ、違ったフジ美容室だ。
さあ海が見えてきた。
どーん。
海に面した町に生まれ育って、珍しくともなんとも無い景色のはずなのに、それでも見るたび胸にこみ上げてくるもがあるのはなぜだろう…
さて、町並みを見ていこうか。
海岸近くを縦横に走る狭い小路。
庭先に井戸の残るお宅もちらほら。
さっそく発見。色付きの鏝絵が2枚。隣の蔵造りも立派だ
塀は鉱滓煉瓦。このあたりでも使用されているのか。
浦島太郎と…
牛若丸…かな?
こちらのお宅には鶴と亀、松竹梅。
なんてことのない路地…こんな道が好き。
上手く構図に収まり切らないが、変速五叉路になった交差点の一角に…
平瓦の乗ったなまこ壁を持つ邸宅。
素敵な塀のお宅は無住のようで、一部崩れかかっていた。
撮影当時はまだ5月だというのに、思わぬ日差しの強さ。
汗ばんだ肌に、時おり路地の切れ間から吹く潮風が心地よい。
鶴と亀、月。
ちょっとかわいい。
この鏝絵は一階部分の壁に施されていた。
紫陽花、生活感のある自転車、サビサビのホーロー看板が路地に合う。よく見ると蔵の上部の窓が塞がれて庇がトマソン化している。
思わず立ち止まって見てしまう構図の良さ。
しかしこの角に張り出した部分はなんだろう?炊事場?
こちらのお宅では鏝絵の台座が残る。よく見るとつる花の紋様も。
この日、見つけることができたのはこれぐらいであるが、もっと大きな鏝絵もあったようで、また機会があればじっくり探してみようと思う。
ちなみにいくつのお宅では改修の際に取り外され、室津公民館に移設され展示されているようだ。
煉瓦塀とブロック塀の対比。
かわE。
さて、今回はここまで。
付き合ってくれた友人(まち歩きの先輩でもあり、旅人でもある)に感謝。
それでは。
追伸:そういやウチの近所にも鏝絵のある集落があったな…。
県内で鏝絵がまとまった数残されていて見られる集落は室津と近所ぐらいだったはず。
近いうちに散策してこよ。