折尾駅と聞いて、東筑軒の「かしわめし」が思い浮かぶ人は多いだろう。九州を代表する駅弁である。駅構内のうどんも美味い。
駅前に並ぶ堀川運河沿いの飲食店街は、まさに昭和の代名詞。
しかしそんな景色ももう見納め。再開発真っ只中の駅周辺を散策。
久々に降り立った折尾駅前。一帯は至るところで工事中。
駅舎は形こそ建て替え前、大正期に作られたコロニアル様式の姿を模してはいるものの、なんかコレジャナイ感…
いや、新しくなるのは良いことなんですが。
鷹見口は駅本舎と完全に分断されてしまってて、乗り換えの場合は駅員さんに申告して一度改札の外に出る必要がある。
まず訪れたのはここ、駅前すぐの「折尾新市場」。
冒頭でも触れたように、駅周辺は再開発真っ只中であり、この市場の隣接する道路も拡張工事が行われている。一応この場所は再開発予定からは外れているが、すぐ近くにあってともに栄えたという「寿市場」は、いつの間にか無くなってしまっていた。
にゃーん。
南側のファサードは、北側の丸っこい感じと対象的にややシャープな印象。
いつまでも続いてほしい風景…
さて、ちょっと歩きましょう。
駅南側の踏切を渡ります。右手に高架橋の跡が残ります。
レンガ積みのアーチ橋、通行できるのは一番左側のみ。
この左側が見たかったのよね。
天井部分を見てみると、煉瓦が螺旋を描くように捻って積んである。実はこのトンネルのみ、架橋に対して斜めに道が通っているのだが、その場合、荷重を均等にアーチ内に分散させるためにこの様な工法が用いられる。
これを「ねじりまんぽ」という。まんぽ≒間歩(まぶ)、つまりトンネルの意である。
下部の壁面はイギリス積み、アーチ部分は長手積みかな?
全国でも現存するねじりまんぽは20数カ所しかないと言われており、その中でも最大級のこのトンネル、築100年以上が経過しているため保存も大変であろうが、北九州を代表する近代産業遺産としてぜひ残してほしいものだ。
一旦駅方面に戻って、堀川沿いへ…
お待ちかね、堀川運河沿いの飲食店街。
堀川の緩やかなカーブに沿って建つ店たちは、ごちゃっとしつつもまとまって収まりが良く見える。
折尾の名物であったこの飲食店街は、再開発に伴いもう既に営業を終えていて、ある店舗はそのまま店を畳み、またある店舗は別の場所や市が用意した代替地への移転などが計画されている。
もはや「好き」しかない。
ほら、お前たちの大好きな「超常現象 折尾ステーション」だよ(何だこの店?)。
そのうち裸電球百景と銘打って写真集でも出すか。いや、そんなに写真ねぇな…
なんだこのファサード…
なぜこんなデザインを思いつくのか(褒めてる)。どうかしてるよ…(めっちゃ褒めてる)。
いいモジャモジャ。
駅方面を望む。昭和の店並みと、近代的な高架式ホーム。この風景も、きっともうすぐ見納め。
ちなみに夏の時期は、護岸のコンクリートがジャンボタニシの卵でピンクに染まってかなり気持ち悪い(この撮影は6月)。
通りはいったん線路で分断される。
線路を渡った先には「鶴の湯」。ここはまた別の記事で改めて紹介したい。とってもいいお湯です。
さて、今回はここまで。
次回も引き続き堀川沿いを歩く。
つづき
それでは。