日本最大のカルスト台地・秋吉台や、秋芳洞をはじめとする大小200もの洞窟、化石層に名水…豊かな自然を有すことで知られる美祢市秋芳町。
地球と生命の歴史に遥か太古へのロマンを感じつつ、先人たちが培ってきた文化を継承する集落を歩く。
美祢市の過去記事
現在の美祢市は平成の大合併の折、旧美祢市、旧美祢郡の秋芳町と美東町の1市2町が合併して誕生した。
秋芳町においては、やはりなんと言っても日本屈指の鍾乳洞である秋芳洞がよく知られているが、おなじみの観光地などは例によって当ブログでは華麗にスルーして、町内に発達した集落に焦点を当てていきたい。
ちなみによく読み間違いされるが、秋芳町はしゅうほうちょう、秋芳洞はあきよしどうですからね。ここテストに出ます。
まずは秋吉地区。
秋吉駅。駅と言っても鉄道駅ではなく、バス停である。
すぐ向かいには大衆食堂があるが、既に閉業している模様。
今日の池田。
かつてのメイン通りと思われる一帯を歩いてみたが、これと言って見るべきものもないので、ちょっと離れた曽和地区へ。
水田地帯の中に、ミルキーブルーを湛えた小さな池。
カルスト台地の南端の崖下に湧くこの池は、水神池(青池)と呼ばれる。
駐車場も無く、道中の案内表示も(たぶん)ない。
おおよそ観光などとはかけ離れた、静かな静かな場所。
さて、次は秋吉と隣接する別府地区へ。
青池を紹介したら、ここは避けては通れまい。
澄み切った青を湛え、夏場でも涼しさを感じる場所。
毎分11トンもの湧出量を誇るこの池は、別府弁天池。
ちなみにここのお水はペットボトルやポリタンクに入れて持ち帰ることができ、夏場は県内外からポリタンクをたくさん車に積んだ人で賑わう。ニジマス料理や隣接する釣り堀目当てに来る方も多い。
あれ、有名な景勝地はスルーってさっき書かなかったっけ…?まあいっか。
水つながりでもう一つ。
別府地区内に存在する、不思議な池。
石灰が溶け込んでいるのだろうか、少し白濁した水が湧き出る白水の池(しらみずのいけ)。
白水川の起点であり、池の中央部には小さな祠のある小島。
鉄管が渡された手製の橋で渡ることができる…が、怖くて渡れない。
運が良ければ周辺に生息するヌートリアも見れるかも?
さて、ようやく集落へ。
カルスト台地のポリエ(溶食盆地)に在郷町として発達した、嘉万(かま)のまちを歩こう。
集落の中心には嘉万小学校。残念ながら2018年に廃校となってしまった。
小学校の横には南北に厚東川(ことうがわ)が走り、川に沿って商店街が発達したようだ。
古い家並みが立ち並ぶ。
入母屋妻入りの旧家。前面の格子が重厚さを醸す。
立派な門を構える。虫籠窓の繊細な格子も見逃せない。
商家であったのだろうか、蛇の鏝絵があしらわれる。
南下していく。
これは…タバコ屋さん!
いい…タバコ屋カウンターマニアの血が騒ぐ。
「光」…聞いたことのない銘柄だ。
シックな色合いのタイルは、古い町並みとマッチする。
シビレるね。
旧医院の佇まいはさすがの一言。
酒造跡の壁には「秋芳美人」の銘が。このあたりの名水で作られた酒はさぞ美味かったであろう。
もう一軒、酒造の跡を見つける。看板建築然とした佇まい。
なまこ壁と虫籠窓を備える。そういえばぼくは下関住まいなので見慣れているが、やはり山口県内の古民家では石州瓦の家屋のほうが圧倒的に多い。
!?
ひょわ!何のオールスターだよ!?
……。
さて今回はここまで。次回も美祢市内の集落を見ていこう。
それでは。
つづき