
質の高い部材によって築き上げられたホールは、竣工から80年の歳月を経ても、その風格は衰えない。
宇部市を象徴する名建築のディテールに瞠目する。
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さて、2階に上がってみよう。

壁面のガラスブロックからダイナミックに採光する。
(しまった、外からここの写真撮るの忘れた…すごくカッコいいんですよ…)

照明にも注目。

鷲と十字をモチーフにした装飾。


階段部分の天窓は独特の形状。同じように見えるが、実際は中央部の窓は大きく、端へ行くほど小さくなっていて、奥行きを感じさせる。

2階ホワイエ。採光部が大きいため照明を点けずともこれほど明るい。
茶褐色のオニキスと呼ばれる大理石の円柱が重厚感を醸すが、床の市松模様が絶妙な配色で中和する。

2階ロビー南側にはクラシカルな雰囲気の漂う部屋。
欄間は無双窓になっており、キリスト教徒であった村野らしく十字の孔。

ここにもナチス風のモチーフの照明。

無双窓を内側から。

記念室と呼ばれるこの部屋は貴賓室のようなものであったのだろう。
館内でも一段と格調高い設えのこの部屋は、調度品も当初からもの。
大理石の床はホワイエと異なり組子細工の千切り(契)のような装飾が。これは先程の階段部分の天窓と同じモチーフ。


暖炉の跡。

ここにもガラスブロックの採光。天井にはシンプルな意匠が見られる。

角部には控えめな十字。



組子細工が美しい。

ううーむ、思わず唸ってしまう。
この部屋でいかつい顔して財界の大物ごっこしたい。

記念室の反対側には休憩スペース。ケンプの写真が見えますね。

戦災を免れた記念会館の写真。

全面の公園を含む施設内の模型。ホール自体は"飛行機型"だそうだが、どう見てもウチワエビである。

展示してあるピアノは1922年製のスタインウェイ。渡辺翁をはじめとする、宇部市の発展に尽力した名士たち20名から新川小学校に寄贈されたもの。
幾度もの戦火をくぐり抜け、消失を免れてきた。ホールスタッフの方のご好意でちょこっと弾かせていただきました。
さて、今回はここまで。

それでは。
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