おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

長門市 : 仙崎の町並み(2)

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「ふったり、やんだり、小ぬか雨…」

みすゞが「瀬戸の雨」で詩ったように、突然の雨に降られ、ネコと一緒に雨宿り。

前回の記事

 

 

ちょっと寄り道しつつ、再びみすゞ通りへ戻ってきた。

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側面のトタンもいいが、正面看板上部の蛍光灯の角度がたまんないね。

 

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魚のレリーフや、「やきぬき」の文字から察しるに特産品の蒲鉾を作っていたのだろう。

かまぼこ激戦区だな、仙崎。ちなみにぼくは宇部のかまぼこが好きです。

 

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シャッター絵がかすれて何屋さんだったのかよくわからないが、かわE。

 

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2回の窓の庇に、持ち送りとも袖壁ともとれる意匠。格子も凝っている。

 

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「八百屋のお鳩」に登場する建物、こんにゃく屋でもあったそうな。

永らく空き家であったようだが、現在は「仙崎 通り町協議会事務所」とガラスにペンで書いてある。目立った看板などは取り付けず、シンプルに徹する姿勢に、街の景観へのリスペクトが伺える。

 

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前回の記事で載せた「仙崎湯」跡よりも更にモジャってるタテモノを発見。

 

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煙突のクロームメッキが浮いたように輝く。

 

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うーん、これは自然にモジャったのかな…?人為的なもの?

 

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どうやらカフェのようだ。まだ開店時間まで随分あるので今回はスルー。

 

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ややセセッションっぽい?看板建築も気になるが、写真右に見切れてる電柱からぶら下がる矢印も気になります。

 

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わーお、素敵な看板。

 

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何故か広島のお酒推し。

 

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三ツ矢サイ…んあぁ室外機ぃ!!

 

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このへんの意匠も良き。

もしかしてベランダのようになっているのか?

 

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どこにでもありそうで、ここにしかない風景…

そんな景色を求めて、ぼくはいつだって知らないまちを歩く。

 

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銭湯跡かと思ったがどうやら違うようだ。

落ち着いたトーンながら洒落たアプローチ。

 

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あ!

 

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ああ!

 

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ネコチャン!ごめんね驚かせて…

 

この直後、通り雨だろうか、あたり一面真っ白になるほどの雨に降られ、ネコチャンといっしょにしばし雨宿り。

 

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すぐに雨は止んだので、再び散策。およ?やけにネコチャンがたくさんいる…

 

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ここがエデンか…

 

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いやいやここはニッスイの前身があったところ。

この説明中に出てくる下関の出張所というのは、以前紹介した蜂谷ビルである。

 

関連記事

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隣には「鯨捕り」というみすゞの詩。

 

そのまま突き当りまで。

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仙崎水道に辿り着いた。渡し場の跡が残る。対岸は青海島。

昭和40年に青海大橋が開通するまでは、市営の渡船が運行していた。

 

 

 

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隣には入り口にはみすゞの詩「瀬戸の雨」の碑が据えられる。

なぜか少し文章の異なる二種類の詩があるのだが、どうやら雑誌掲載時と遺稿集とで少し違っているようだ。

 

ふったり、やんだり、小ぬか雨

行ったり、来たり、わたし舟

 

瀬戸で出会った、潮同志

「あなたは向うへゆきますか

わたしは、こっち、さようなら」

なかはくるくる渦を巻く

 

行ったり、来たり、渡し舟

ふったり、止んだり、小ぬか雨

 

………

 

これは別の日に訪れた際に撮影したのだが、前回載せた「角の乾物屋」が開いていた。

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他にも見落としていた看板建築があったり…

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呉服屋さんなので…

 

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「紋付き」という詩が掲げられている。

 

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「鯨捕り」の蒲鉾板アートも。

萩とか長門って、ふらっと行くにはちょっと遠いなぁ…ってイメージだったが、寄り道しながら行くから時間かかってただけで、まっすぐ行けば家から1 時間かからないと気付いてからは結構な頻度で空いた時間にふらっと行くようになってしまった。

 

最後に、青海大橋から見た仙崎のまちを。

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右側が仙崎の市街地、左に見えるのは漁港であるとともに、戦後の引き上げ港でもあった。

 

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さっきの渡し場が見える。ここからだと砂嘴になっているのがよく分かる。

 

彼女がまちをを愛したように、彼女も今なおまちから愛されつづけている。

優しい想いに溢れたまちの、温かい雰囲気を感じた逍遥であった。

 

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それでは。