杖立温泉逍遥、背戸屋を縦横無尽に駆け回る。
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腹ごしらえも済んだことだし、散策を再開しよう。
「こまつ食堂」の周辺には、飲食店や商店、スナックなどが数軒並ぶ。
鮮やかな装テンの土産物屋。2階部分のテント形状がユニーク。
螺旋階段を覆うテントの張り出し。
スナック跡。
焼きそば、豚足、ホルモン焼き、鳥皮酢……黄金のカルテット。
ラーメン食べたいわね。
杖立川には3本の橋が掛けられているが、真ん中のこの橋は随分コンテンポラリーでスタイリッシュ。対岸の散策はまた後で。
褒めるところが多すぎる。
石段が比較的多いのもこの集落の特徴か。
対岸を見やる。建物が壊され、背戸屋の階段が露わに。
令和2年7月、九州、とりわけ熊本〜大分を中心に豪雨が発生。この地にも甚大な被害をもたらした。杖立川は氾濫、町内には川水が流れ込み浸水被害に見舞われた。また崖崩れも発生している。幸い人的被害ななかったものの、折しもコロナ禍による経営状況の悪化と重なり、廃業・取り壊しに至った旅館もある。
ぼくが訪れたのは令和3年11月。復興も進み少しずつ活気を取り戻しつつある様子であったが、未だ改修工事により一部制限しながらの営業であったりして、やはりどこも厳しい経営状況が続いているようだった。
神社の石段。上ってみればよかったな。
この階段には、旧日田往還であることを示す碑が建つ。
天領であった日田まで通じる街道だ。
石垣の上には樹齢400百年の大杉が。
ちょうど大杉のあたりで小川のせせらぎに耳を傾けていると、強い硫黄臭が。
うう、早く湯に沈んでしまいたい…
なんて書いてあるのか全然読めない…何とか薬師通りを征く。
いいうねり具合。
"背戸屋"の由来はよくわからないが、家の裏口のことを"背戸"と呼ぶことから来ているのは間違いないだろう。
苔むした階段の魅力を伝えたい。
このあたりは旅館が多く並ぶので、あちこちに配管が巡らされる。東洋的なスチームパンク感。
路地が入り込みすぎてて、自分がどこを歩いているのかわからなくなる。
そうこうしているうちに辿り着いたのは、「元湯」。
杖立の共同湯の一つで、24時間入浴可能。料金は無料だが、脱衣所などは設けられておらず、川向かいからは見えてしまうので注意が必要。ぼく?もちろん入りますよ。
内部はこんな感じ。産湯観音という菩薩が祀られているが、この湯が応仁天皇の産湯として用いられたと伝えられることに由来している。
自噴している源泉の近くはめちゃくちゃ熱いが、浴槽の深さはないため中心付近は適温である。
紅葉を眺めながらの入浴…最高だ…(人が前を通るととても気まずい)
泉質としてはメタケイ酸が多いらしく、近くの黒川温泉(こっちは随分有名になりましたね)と似ているような感じがします。
しっかり温まったところで、再び散策を再開。
杖立の宿に泊まったら最後、これは一晩中背戸屋(と階段)巡りをしてしまいそう。
さて、今回はここまで。
それでは。
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