未だ痛々しい災害の爪痕が残る中、温泉街のメンバー有志が担う復興プロジェクトにより、確実に前を向いて進み出した天ヶ瀬温泉。
治水対策と観光資源保護…揺れる温泉郷の未来は。
前回の記事
薬師湯で温まった後、再び川沿いを歩く。
川のせせらぎを聴きながら歩く。平日なのもあって、随分ひっそりとしている。
前回の記事で護岸の上の通りから載せた、クラシカルな外観のホテル水光園は、廃業してそうだが…コロナ禍以前にも何度が休業していたことがあったので、先般の災害とは直接関係ないのかも知れない。
かつて水光園の名物でもあったかじかの湯という川沿いの露天には土砂が流れ込んでおり使えなさそうな状況であった。
地面が割れておりこの先へは進めないため、また護岸の上へ。
川辺に降りる階段っていいよね。
両側面がトマソン。
もう一つ公衆浴場に立ち寄ろう。
アナ雪は見たことが無いけど、この歌は知ってる。
渡り廊下くぐろう〜♪
駅前温泉。ここは覗かれる心配も無いので、女性でも入りやすいのではないだろうか。
この日は神田湯に続き、こちらも少しぬるめの温度であった。
後からいらした地元の方にお話を伺うと、どうやら豪雨災害後、湧出量が少なくなってしまったらしい。温度も下がり、少し濁りを感じるそうだ。
更にお話のなかで、今回の豪雨を受けての治水対策として河川の拡張をするために、5年以内に川沿いの南側は民家含め全て立ち退きしなければならないこと知った。温泉郷の存続自体どうなるか…と嘆いておられたおじさんの悲しい表情が目に焼き付いて離れない。
大好きな天ヶ瀬温泉、願わくば末永く続いてくれるように、金銭的には微々たるものであるが、この日もまた家に帰って支援させていただいた。
対岸へ。こちらのホテルや旅館などは数軒営業しているところがあるようだった。
対岸から見るホテル水光園。好きか嫌いかは別として、インパクトのある建物だ。
以前はサービス内容についてあまり良い評価を聞かないホテルだったそうだが、一時の休業後は経営者が変わったのか、夜随分良くなったと聞いていただけに被災してしまって残念だ。
やはり川沿いに降りる階段は良い…
藻が大量発生している野趣あふれる露天風呂跡。
こちら側も道路が崩壊している様子が見受けられる。
他にも使えなくなってしまった川沿いの露天風呂が散見される。
いかに多くの人にとって川を見ながら入浴することが魅力的だったのか見て取れる。
ふと見上げると、おそらく増水時に濁流でひしゃげてしまったのであろう梯子。
自然の猛威がいかに恐ろしいかわかる。
!?
!?!?
!?!?!?
なんだこの奇妙な生物は!?
ここは天保年間に創業した老舗旅館「天龍荘」の前にある共同浴場、益次郎温泉。
大村益次郎がかつてこの宿に逗留したことからきているらしい。ぼくも天ヶ瀬温泉内で一番好きな共同浴場である。
さっきの謎の生物はこのとなりのペット温泉の料金箱。
残念ながらこの日は復旧作業が間に合っておらず、入浴することはできなかった。
※2022年4月現在、再開されたようです!
ちょうど向かいには薬師湯。
護岸の補強のための土嚢なのか、瓦礫が詰まっているのか、積み上げられた袋に被害の大きさが感じられる。旅館 本陣は現在休業中…
トマソン化してしまった階段。以前はここから吊り橋にアクセスしていた。
天ヶ瀬のアイコンでもある、ホテル成天閣前の赤い吊り橋。
氾濫した川に流されてしまったが、2021年6月、災害より一年を掛け、助成金などを活用して再建された。
橋のふもとには小さなお地蔵さま。
さて、今回はここまで。
それでは。