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下関市の近代建築 その4

下関市の近代建築めぐり、郊外にも足を伸ばしてみよう。
長閑な田園風景にひっそりと佇む歴史の証人たち。

前回の記事

前回は唐戸市場の駐車場から撮影した写真で終わったので、ちょっと市場にも寄り道していこう。

下関市地方卸売市場 唐戸市場

設計:池原義郎

竣工:2001年

 

中へ。

 

下関らしく、でっかいふぐの象がお出迎え。次節柄ちゃんとマスクしてますね。

 

正直なところあまり建築作品として見たことはなく、買い物をするところ(というか県外の友人が来たらとりあえず連れて行くところ)という認識だったが。よく見てみるとこのプレキャスト造の天井は面白い。

休日ともなると、このあたりの商店が出してる握り寿司のコーナーには人、人、人!

おそらく地元の人は少ないような気がする。実はぼくも食べたこと無いし。

 

というわけで物色してみます。

うーん、雰囲気込みでどれも美味しそうに見えてしまう…

 

テキトーに何貫かチョイスして、ふぐのアラ汁とノンアルも注文。

 

外のデッキのベンチに腰掛け、海を眺めながらいただきます。

 

…いかんいかん、これじゃグルメブログみたいになっちゃう。

建築の事書かねば。

 

次は市街地から離れたところへ。

旧粟野小学校

設計:???

竣工:???

 

豊浦郡に佇む、半円型アーチが印象的な小学校は、明治7年にその前身が開校し、以来多くの子供達を育てるも、令和2年に惜しまれつつ閉校。しかし現在の校舎がいつ建てられたものなのか、情報がないのよね…よって近代建築と言っていいのかもわからない…

 

中央部にロマネスク調にも似た雰囲気がある。

しかしよく見ると中央の身廊っぽい部分はハリボテっぽい?

 

のんびりした田園風景の中に映える、堂々とした佇まいである。

 

玄関ポーチ上部に据えられたレリーフや車寄せがエレガント。

 

屋外の手洗いも洒落ている。

 

いろんな建築ブログなんかを調べてみてもほとんど情報が出てこない。こんな素敵な建物なのに…情報求ム。

※追記:閉校に伴い編纂された記念誌を見せていただく機会があり、その年表によると昭和59年に校舎改築とあった。しかし依然として設計者は不明。探しても探しても資料が少なすぎる…

 

もう一つ旧豊浦郡のタテモノ。

旧殿居郵便局舎

設計:山本安一?石光孝一?

竣工:1923年

 

以前紹介した一ノ俣温泉の近くに佇む、八角の塔屋2階建付き。山口県最古の木造局舎である。

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1902年(明治35年)に開局したこの郵便局は、かねてより洋風建築への改築を考えていた二代目館長が、地元の大工棟梁を連れて全国各地の洋風建築を見学して回った末に意匠を決定し建てた。

1991年に起こった台風19号によって倒壊した尖塔部分から棟札が発見されている。

 

まるでジブリの世界…

ぼくジブリの作品は1つも見たことありませんが、こうやって言えばきっとキラキラしたインスタ系女子が釣れるので。

 

隣の現殿居郵便局の営業時間であれば内部の見学ができるので、声を掛けて鍵を開けていただく。窓口を挟んで内側には事務室、電話室、局員の宿直室(4畳半の和室)、土間など。

 

ルネサンスを模した塔屋部の1階は応接室となっている。

 

箱階段スキー。二階へ。

 

光の差し込む塔屋部分。

 

なんとも瀟洒な。

 

窓の外には田園風景が広がる。

鄙には稀な…という表現がしっくりくる擬洋風建築である。
 
 
さて、今回はここまで。

それでは。