日本海に面した城下町萩と、瀬戸内に面した三田尻を結んだ萩往還。その中間地点に開かれた宿場町のうっすらと雪化粧をした風景に、久しぶりの旅情を味わう。
令和3年12月、ふと島根に行きたくなった。
もともと島根県がとっても好きなのだが、昨今の疫病のおかげでしばらく行けていないような気がする。一度考え出すともう止まらない、思い立ったが吉日。とりあえず宿だけ予約して、いつものようにノープランで出掛けよう。
…と思ったが、あいにく出発の日は雪の予報。お天気キャスターは大して積もりはしないだろうとコメントするが、山間部はスタッドレス必須とのこと。山口県西部に住むぼくはスタッドレスなぞ履いたことがないので、出立の前日に慌ててタイヤ交換。
ぼくは深夜のドライブが好きなので、夜中に出発するのもいいなと思ったものの、いかんせん隣県なのでそこまで早く出てもな…。ということで朝5時過ぎに出てみた。
近所のコンビニでホットコーヒーと朝ごはんを調達して、とりあえず寄り道しながら向かっていこうと思い、まず立ち寄ったのが…
萩市の佐々並。かつての宿駅。
道中、明け方の道路は誰も走ってなくて、夜明けを待たずして着いてしまった。しばらく車内で日が昇るのを待ったけど、7時前でまだこの暗さ。とりあえず歩いてみよう。
雪!ゆき!キャッキャ!(雪があまり積もらない地方住みの喜び)
誰もいない公園で一人(と二頭)佇む…
少しづつ空が白んできた。民家に灯りが灯りはじめる。
重伝建に指定される町並みだが、あまり観光地然とはしていない。
これは…理髪店のようだ。
もしかして現役なのだろうか。いいな、開いてたら髪切ってもらいたい。
平入りの商家が軒を連ねる。
農村集落であったため、同じ県内の重伝建でも萩や柳井とは趣を異にする。
冬の早朝。川のせせらぎが冷たく耳に響く。
かつての本陣は既に失われてしまっているが、多くの建物が古くからの姿を残している。
煙突があるのは酒造場かな。
だんだん日が昇ってゆくにつれて、ほんのちょっぴり積もっていた雪も消えてゆく…
薄化粧を落とした石州瓦の赤褐色が目立つようになってくる。
さて、今回はここまで。
それでは。
つづき