最盛期には年間およそ1万貫(38t)もの銀を産出し、戦国大名や江戸幕府の重要な財源を採掘した石見銀山。その規模は当時、世界中で産出された銀の3分の1を占めるとも言われている。
奉行所が建てられ、銀山の行政と商業の中心を担った大森地区では、封建制の時代には珍しく武家屋敷や商家、寺社が入り混じって形成されていた。
石州瓦と梅の木の町並みを歩く。
前回の記事
大田市駅前を離れ、石見地方を代表する景勝地である大森地区へ。
何度目の訪問だろう…ってぐらい好きな町並みのひとつ。何度来てもうっとりしてしまう。
今回の訪問時は天候があまりスッキリしなかった。小雨が降ったり止んだりで、レンズを濡らさないよう気をつけながら歩く。
ほら、お前たちの大好きな自販機カバーだよ…
SNSでお馴染みですね。
粋な枠…
この地を訪れる観光客は高齢の方が多いらしく(まぁそうだろうな)、町内に飲食店も多くはないため自販機は必須だそうだが、景観を守るために寺域の方が考案されたそうだ。頭が下がります。
ちゃんと自販機のサイズに併せた一点モノ。ちなみにこの場所にあるものが特に有名だが、実は他の場所にもいくつかひっそりとあるのだ。
これとか…
これとか。ちゃんと自販機ごとに異なる仕様。
どこにあるかは実際に訪れて探してみてほしい。
前述のように、集落が形成された頃から上級武士や役人の住まう地区と、商人地区などの区別がされておらず、それらが混在する町並みであるが、その殆どは寛政の大火で焼失してしまっている。しかし再建後も同じような町並みが作られ、他では見られない景観を作り出している。
決して雅なまちではない。それでも惹かれる魅力がある。
シックな色合いのまちに、赤ポストが映える。
どのお宅も丁寧に手入れされ、景観保全への努力と、重伝建地区としての矜持が感じられる。
緩やかに弧を描く通りは、どこを切り取っても絵になる。
もちろんそれぞれの建物も素晴らしいが、通りをぼんやりと眺めるのがいい。
整然としつつも、どこか生活の香りがある。
ビルトイン地蔵尊。かわE。
どこまでも続く茶色。
平日ということもあり、観光客は全くいない。わずかに住人の方とすれ違うばかり。
これはぼくが古いタバコカウンターを採集するきっかけになった、お気に入りのカウンター。
ジグソーパズルみたいなタイルが素敵。
非の打ち所がない、理想の軒先。
この風景に恋しちゃって、タイルのタバコカウンターを採集しだしたのだ。
「世界一小さなオペラハウス」大森座。
同地区にあった芝居小屋を、郵便局であった建物を用いて復活させた。
昭和な雰囲気が漂う。いつかここでコンサート企画してみようかな。(なんのツテもない地区でやって集客どうするつもりなんだ…笑)
これは民家だろうか?なにかのお店だったのかもしれない。
またも素敵なタバコカウンター。
「右たばこ」だし、障子が和風だし、市松のタイルは目を引くが景観を全く損ねてないし…最高!
たくさん並んだお地蔵さんもかわE。
さて、今回はここまで。
それでは。
つづき