おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

島根県江津市 : 江津駅前の町並み(2)

江津本町の静かな町並みを歩いたのち、再び江津駅前へ。

以前から気になっていた不思議な威容のビルには、ホコリとカビの匂いが充満しつつも美しい空間があった。

前回までの記事

この日もあまりぱっとしない天気であったが、もう時刻は14時前。早朝から歩いていたが、なんだかんだ散策に夢中になってこんな時間に。

お昼ごはんを食べそびれていたので何か食べたいと思いつつ、店で食べる時間も惜しいなと考えていると、Twitterのフォロワーさんがおすすめしていた和菓子屋さんを偶然発見。

山根甘泉堂。間口の広い厨子二階の建物に、石州瓦と木製の看板が素敵。

 

フォロワーさんおすすめの江川饅頭と、雪大福(いちご大福)を購入。写真は撮るの忘れた。とりあえず饅頭は家人へのお土産用ということで、雪大福をその場で食す(どうせお土産も帰ってから自分で食べるのだが)。うーむ、美味し。

 

 

さてさて、前々回の記事でも触れた、件のビルである。

昭和42年竣工のこのビルは江津駅前ビル。通称 軍艦ビルと呼ばれる長屋風のこの建物は、横に広く高さがまちまちなRC造のビルで、1階部分を店舗、上階は倉庫や事務所として使われている。

 

入って良いものか悩んだのだが、表にとあるコンサートのチラシが張ってあって、なんとその出演者が知人で、主催が「石見音楽文化振興会(一社)」と書いてあり、このビルの中に所在があるようなので、問い合わせがてら入ってみることにした。何たる偶然。

 

5階建てになってる部分の階段から入ってみた。ツンと鼻を突くホコリとカビの匂い。

廊下に何故か古いティンパニが打ち捨てられてある。窓からは再開発された駅前の交流広場が見える。この対比。

 

廊下も階段も狭い。照明は点いていないが、外からの光が差し込み明るさは十分ある。

石見音楽文化振興会と書かれたドアの前に立ち、「すみません」と声をかけるも返事がない。意を決してドアノブを捻るも施錠されている様子。お休みなのかな…?

 

まぁ入ってダメそうな感じでは多分無いので、上階へお邪魔させていただく。

オレンジ色のフロア表示サインがコンクリの壁に映える。

 

3階、型板ガラスの向こうには少し広いホールのような空間があるようだ。

 

4階に上がろうとして思わず息を呑んだ。

何だこの美しい造形の階段は…

 

エッシャーの世界観に迷い込んでしまったのかと錯覚する。

 

外観からは無機質なビルだと思っていたがとんでもない。

「直線的な」螺旋構造の階段を狭い内部空間に有する、なんともアナーキーなビルであった。

 

いざ5階へ。

 

「ようこそ5階へ」と書いてあるが、何があるのかはわからなかった。

 

トイレは…使用できなさそう。

 

不思議だったのは、横方向(といえばいいのか?)に繋がっておらず、高さの異なるエリアへのアクセスができなかったということ。

どこか別に入り口があるのだろうか…?

 

雰囲気はちょっと異なるが、駅前にあって、横に長いこんなレトロなビルといえば、地元の下関第一ビルディングを思い出す。

下関第一ビルディングについてはコチラ↓

 

ビル裏手の駐車場へ戻ってきた。ここで前々回の記事の写真を見返してみる。

階段室がガラス越しに透けて見えるが、ここへのアクセスは全くわからなかった。もともと別のビルだったのを外壁だけ繋いだ…なんてことは流石に無いよね?

 

出庫し、この度の最後の目的地へ向かう前に、やはりここは抑えておこう。

国道9号を走っていると否が応にも目に飛び込んで来るあのアヴァンギャルドなビル…

逆さになったV字の構造体が印象的な江津市役所庁舎ビル

昨年、その役割を終え…いま何に使われてるの?

 

ル・コルビュジエの弟子であった吉阪隆正氏によって設計された名建築も、時が経ち耐震構造の問題によってその存続が危ぶまれている。

なんとか活用できると良いのだが…

 

さて、今回はここまで。

それでは。

 

つづき