おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

へんなこまいぬ(7)

お前たち…「ほんとうに"狛犬"なのか?」

思わずそう言ってしまいそうなユーモラスさ。

狛犬業界のダイバーシティを探る。

 

コロナ禍の元旦。

うちは寺なので(みんな忘れてるかもしれないけど、ぼくお坊さんですからね!)、年始はお参りに来られる方がいて法要をしたりするのだが、いかんせんこの情勢ではそれほど参拝者も多くもなく…例年よりゆったりとした年始を過ごしていた。

 

午後からちょっと買い出しがあって、妻と一緒に出かけたのだが、そのついでと言っては何なのだが、「初詣」なるものを経験してみたいぞ(したことない)と思い、長門国一宮である住吉神社へ行ってみることにした。

さすがに大きな神社(本殿は国宝!)なだけあって参拝客はそこそこいたが、本殿前に行列が出来ているのみで、ほかは比較的空いていた。

今年一年の健勝をお祈りし、駐車場へ向かう道中に、ふと違和感を覚えた。

 

 

大型の青銅製狛犬ちゃん。

青銅製の狛犬は珍しい。でも違和感を覚えたのはそこではない…何かが、違う?

 

 

鼻の穴が某演歌歌手みたいとか、そういうことでもない。

いや確かに特徴のある顔つきではあるのだが。

 

 

結局、違和感の正体をつかめないまま帰路につくのであった……が!

自宅に帰って過去の写真を見返しているとその原因が明らかに!

 

 

これは2011年に撮影したもの。

青銅製じゃなくてコンクリ製じゃん!

 

調べてみると、もとは青銅製であったのだが、大東亜戦争さなかの昭和18年、軍需物資として徴用されコンクリートで複製。その後2015年に終戦70年を期し、青銅で復元したそうな。知らなかった〜。

前述の通り、九間流造の本殿は国宝で、境内には他にも見どころが多い。しかしこの日は人が多かったのでとても撮影できそうになかったし、過去写真はブレブレの変な構図ばかりだったので、また近い内に参拝がてら訪れて見て回ってこようと思う。

 

 

こちらは大分県某所の神社。

鳥居…なんか小さくない?笠木のてっぺんまでおよそ180センチといったところか。

 

 

鳥居をくぐり、小高い丘の上に鎮座する祠に参拝。その両脇には…

 

 

いました。ちっこいやつ。

 

 

ネコチャンみたいなフォルムがかわE。はじめ狛犬かな?

反対側には…

 

 

ワニじゃん。

 

 

こちらは肥前狛犬ということで良いのかな?そもそも肥前狛犬とはじめ狛犬の違いもよくわかっていないのだけれど。

 

 

次に訪れたのも大分県内某所。

こちらも比較的小さな鳥居である。

 

 

拝殿の後ろに伸びる石段。どうやらこの上が本殿らしい。

 

 

結構急な角度。

 

 

踏面が狭いので手すりを掴まないと危ないかも。

 

 

コンクリの賽銭箱って珍しい気がする。

そして狛犬ちゃんというと、一対と…んん?

 

 

阿吽のどちらも風化によって前足が折れてしまっているが、小さい割に装飾が細かい。

そしてももう1つ気になるのは…

 

 

燭台も狛犬ちゃん!

一つの石材で2体ぶん削り出されているが、繋がっている。

まるでオルトロス…(違う)

 

 

振り向けば山裾に数件の民家。

なかなかに良い景色だ。

 

 

やっぱ怖い…降ります。

 

 

神事の際にはここから登っていくのだろうか。

 

 

こちらは下関市本覚寺という寺院。

お寺に狛犬?と思われる方もいるかも知れないが、そもそも仏教ととも伝来したのち、我が国においては仏塔の守護として設置されていたことも多く、神仏分離令までは一体的に扱われることも多かった(というと語弊があるがあまり詳しく説明しだすと長くなってしまうので割愛する)ため、まぁあるところにはある、ぐらいに思っておいてくださいな。

 

そしてこんな解説をしたのにもかかわらず、こちらの神社で紹介したいのは狛犬ではなく…

 

 

UMA

 

 

天馬門と名付けられた山門の木鼻に施された彫刻は、獅子や獏、象であることが多いが、こちらは馬!

 

なんでも前住職が馬好きだったとかで…

競馬好きの方はレース前にお参りして擬岩するのも良いかもしれない。

 

 

お次は同じく下関市大坪八幡宮。仕事の合間に時間が合ったのでちょっとお参りしてみようかと思ってやってきた。

一ノ鳥居の前後に2対の狛犬ちゃん。

 

 

一見して普通…というか、立派ではあるのだが特徴的ではない。

まぁそうそう変わった狛犬があちこちにいるわけじゃないよな、と思いつつ進んでいくと…

 

 

!?!?!?

 

 

犬だ…

紛うことなき狛"犬"。

 

さて、今回はここまで。

それでは。