
モダンな様式美の近代建築、格調高い商家郡…
風格のある建造物が建ち並ぶエリアに、筑豊炭田の中心地としての歴史を感じた。
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さて、とのまち通りのアーケードを抜けてそのまま南進、長崎街道沿いの町並みを見ていこう。

アーケードからほんの50m程度歩けば見えてくるのはド級の近代建築、向野堅一記念館(国登文)。
明治元年に直方で生まれ、その後は中国(満州)の経済に大きく貢献をした国際実業家の向野堅一を顕彰する施設である。


この佇まい…圧倒的な重厚感。
もとは堅一と交流のあった讃井源次郎が親族の医師らとともに大正11年に完成させたで讃井病院で、小児科・歯科・内科を併設し当時としては大規模なものであったという。

セセッションの要素を押し出す旧医院の意匠。

木造二階建てで、隅部のパラペットのところが塔屋で一部三階建ての様な形になっている。

♥ある。

玄関から入ると、向野堅一の肖像画がお出迎え。

諸室を見ていく。

堅一本人に関することをはじめ、直方市の産業や政治に貢献した向野家の資料に関する調査や研究などが展示される。

二階へ。

館内は窓の配置のおかげか採光が上手く機能しており、また白漆喰の壁によって日中は照明なしでも十分明るい。

二階に上がって驚いたのはこちら。
重々しいドアの向こうに和室が広がっていた。



イベントスペースとして貸出しなどをおこなっているふうだった。


通りに面したベランダ。

細い階段を通って3階へ。

塔屋部は改装中なのか、資材などが置かれていた。
外観は重厚そうなタテモノだが、こうやって見ると木造なんだと驚く。

このままだとこの記念館の紹介だけになってしまいそうなので、次へと進めることにしよう。

このあたりは歴史的な建造物の宝庫で、石を投げれば(投げるな)近代建築や重文にあたるほど。洋館も多い。

象徴的な町家建築は旧前田園本店(左)と石原商店(右)。ともに国登文。
銅板の緑青がアクセントに。

石原商店は大正15年頃築。中二階の小窓が印象的な三層構成。

旧前田園本店は昭和2年頃の築で、黒漆喰に出桁造りの2階部分が石原商店とのコントラストを生む。
現在は古民家カフェとして使われているようだ。

奥に向野健一記念館が見える。
この並び…素晴らしい。

そしてその向かいには…これまた素敵な医院建築。

ペールグリーンの下見板が優しい雰囲気を放つ江浦医院。
明治34年竣工で、なんと今でも現役の耳鼻咽喉科として営業されている。

全体的に洋風意匠であるが、玄関ポーチ周りは和風に設えられる。

ちなみに先日通りがかったところ、スロープが設置され外壁は鮮やかに塗り替えられていた。
こうやって古き良きものを大切にしながら使い続ける姿勢、見習いたい。
いつか診療に来て(内部も見て)みたいな。
さて、今回はここまで。

それでは。
つづき