
遥か飛鳥の時代の様式を再現する伽藍、都会にありながら喧騒とは無縁の広大な敷地が、この日は大いに賑わう。
太子を偲んで厳修される舞楽大法要、その迫力に圧倒される。
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聖霊会の会場となるのはこの六時堂と…

その前、亀の池の中央に渡される石橋の上に築かれた石舞台。
住吉神社の石舞台・厳島神社の平舞台と並ぶ「日本三大舞台」の一つである。
流石にこの時間午前10時過ぎだとまだ観覧のお客さんもスタンバってませんね。(法要は12時半より)

石舞台の四方に据えられた赤い玉は曼珠沙華を表し、燕の飾りが吊るされる。


大きな鼉太鼓(だだいこ)は、唐楽担当の左方が三つ巴、高麗楽担当の右方は二つ巴で、彫刻や日形などもそれぞれ異なる。


お昼ごはんどうしよっかな〜と一瞬考えたが、そういや船の中で朝もりもり食べたから大丈夫だろ。








定刻になると楽が奏され、式衆が列をなし舞台へと進む。
伽陀が述べられた後、衆僧が六時堂へ入堂。いよいよ開始である。
それぞれの舞などの説明はぼくもあんまり詳しくないし、きっと専門家が解説されているホームページ等があるの思われるので、ここでは軽くダイジェストでお伝えしたい。ホントは動画が載せられれば良いんだけど…はてなブログぇ…
まぁ毎年ライブ配信(解説付き)もやってるので、興味のある人はぜひ。(舞の演目は毎年一部変わります)

まず舞われるのは振鉾(えんぶ)。
舞台を清めるための儀式的な舞で、「天長地久 政和世理 国家太平 雅音成就」と唱えながら鉾を振るう。

まず左方が舞い、次に右方、そして両方同時に舞う。(合鉾…あわせぼこ)。
このように順に三度舞うことを「三節」という。

このとき動画ばっか撮ってて写真が少ないのよね…

次はぼくの一番好きな舞…キタキタキター!!!

蘇利古(そりこ)
顔のパーツを抽象化した雑面(ぞうめん)が印象的な舞は、百済から来た須々許理(すすこり)という人が伝えたとされる。


どこかコミカルさを感じさせる様相だが、太子の目覚めを慰めるための供養舞であると伝えられており、聖霊会では欠くことのできない舞楽である。




さすがに法要が始まるちょっと前からは、かなりの人が舞台周辺に押しかけており、望遠レンズを用意してきたとはいえ近くで撮れるか不安だったのだが、同じ場所で見ていたみなさんが優しくて(長丁場なのでおしゃべりして仲良くなる)、「お兄ちゃんわざわざ山口から来たんやったらもっと前で見な!」といって場所を譲ってくれた。ありがてぇ…
これが大阪の人情か。



一般的には四人舞であるが、ここ四天王寺では五人で舞う。

この後、聖徳太子御影の帳を上げる「御上帳(みじょうちょう)」の儀と、御水を捧げる「御手水」の秘儀が執り行われる。


次に衆僧が六時堂前の左右の高座に登り、法華経を読誦する。
さて、今回はここまで。

それでは。
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