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2023年4月 大阪旅行記 (17) 〜近代建築巡り その2〜

大阪が「天下の台所」と称された由縁は、水運のまちの中洲に各藩の蔵屋敷が立ち並び物資が集積されたことからだという。

現在でも行政・文化の中心地である都会の水辺を歩く。

前回の記事

さて、近代建築の聖地、中之島に向かいます。

 

道中なんとなく見上げてシャッターと切ると堂島ビルヂング(1923)。

東京 丸ビルと並ぶ西のオフィスビルの雄。とはいっても改修によって竣工当初の面影はあまり残っていない様ですが。

あやうく素通りするところだったぜ。いや、実はこの記事書いてるときに気づいたんだけど。

 

 

橋を渡って中之島へ。

 

 

日本銀行大阪支店(旧館)(1903)。

御堂筋に面して佇む銀行建築は、水平感を押し出した古典主義。

辰野金吾による設計で、石積みの外観が重厚感を醸す。

 

 

背後にそびえる中之島セントラルタワー(住友生命中之島ビル)との対比も面白い。
ラスボスの住むダンジョン感ある。

 

 

玄関ポーチはイオニア式の柱頭を持つ丸柱と各柱がキャノピーを支え、面格子の1階窓の上にはレリーフが施される。

 

丸型ドームとその両隣にガラス製の三角屋根(ここらからだと見えないけど)を備え、周囲をエンタブラチュアが飾る。平指針も装飾的で、銅板の緑青が見事だ。

ちなみに予約制で見学可らしいよ。

 

 

明治のはじめにはこの地に「駅逓司」(=現在の郵便局)が大阪で初めて設けられたため、金色のポストと碑が立つ。

 

 

「郵便は世界を結ぶ」……郵便料金、高くなりましたよね。

 

 

道路の対岸には大阪市役所。

そのまま向かい合った日銀大阪支店と合体できそうなデザインやな。

 

 

お次はこちら。

ギリシャ・ローマの古代神殿を思わせるような建物は…

 

 

大阪府中之島図書館(1904、国重文)。
巨大なコリント式オーダー、アカンサスの文様、デンティルが施されたペディメント…

古典的な要素を調和させ、シンメトリカルに落とし込む。わが国の新古典主義建築の代表作である。

 

 

内部へ。

 

 

息を呑む、とは当にこのこと。

ドームの下に広がる円形の吹き抜けの美しさよ…

 

 

一旦、ドームの形状と対象に絞り、そこからまた外壁に沿って広がる階段。

このクビレの艶めかしさといったら…

 

 

ドーム頂部のステンドグラスを起点に、複数の曲線が複雑に絡み合うバロック様式

アンフォラ、シュロの葉の文様、花綱文様などの精緻な意匠が実に華やかだ。

 

 

 

正面に掲げられる大小2枚の銅板は「建館寄付記」と「増築寄付記」。図書館の寄付者であった十五代住友吉左衞門友純が、寄付にいたった経緯を綴る。

その左右には北村西望による彫刻。右の「野神像」は野生を表現し、左の「文神像」は知性を司るという。

 

 

フリーズ(中間帯)には八聖殿になぞらえて、歴史上の八賢人(八哲)の名が刻まれる。

正面から右回りに菅原道真孔子ソクラテスアリストテレスシェークスピア、カント、ゲーテダーウィン

知性の権化たちに見守られながら、叡智の結集たる書を繙く…

アカデミズムの殿堂で本を繰るとなると、自然と背筋が伸びる気がする。

 

 

玄関ホールの上部には記念室(かつては特別閲覧室であったり貴賓室であったり)が設置される。

 

 

扇形の窓とドレープカーテンが印象的。調度品も創立期のもの。

 

 

このホールからなかなか離れることができない。

美しすぎる…。


名残惜しいが、時間も差し迫っているので次へ向かおう。

 

さて、今回はここまで。

それでは。

つづき