おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

下関市 : 長府 壇ノ浦とその周辺(2)

アジア情勢が緊迫していた明治期、関門海峡を隔てた下関・北九州に帝国陸軍によって「下関要塞」が設置された。

現在は多くの家族連れや夜景の撮影スポットとして賑わう公園に残る堡塁から、そのひんやりとした空気が醸す静謐さに思わず息を潜めてしまう。

前回の記事

 

みもすそ川の交差点から少し山手へ。目指すは火の山公園。

眼下には関門海峡を望み、春には中腹の桜の名所やトルコチューリップ園、ツツジネモフィラがカラフルに斜面を彩る。

 

あいにく花をしっかりカメラで撮るような風流な心は持ち合わせていないのでスマホで適当に撮った写真ばかり…

 

ぼくもよくワンコの散歩で訪れます。

山頂の公園へは遊歩道での徒歩のほか車、ロープウェイでもアクセスでき、気軽に訪れることのできる観光スポットとなっている。

山頂の展望公園から関門海峡を望む。

 

夜は夜で大変雰囲気がよろしいので、カップルがそこらでいイチャついております。

それはさておき、公園内には明治期に築かれた戦争遺構があり、土木学会選奨土木遺産に認定されている。清国の北洋艦隊や、ロシアのバルチック艦隊の来襲を想定し造られたそれらは実戦で使われることはなく、いまはただ静かにその姿を残すのみ。

ちょうどこの写真のあたりに、いくつかは当時のまま佇む。

 

火の山砲台跡

4箇所の砲台跡に加え、堡塁などをまとめてそういった総称で呼ぶが、専門家ではないためアカデミックな解説はご容赦願いたい。

 

堡塁の中に入ってみよう。

 

…さほど広くはない空間なのに、無限にも広がるような奥行きを感じる。

 

外光が僅かに流れ込み、構内を白く照らす。

 

トンネル状になった構内は、両端からアクセスできるようになっている。開口部は同じ造りだが、太陽の位置によって見え方も異なる。

 

いつか現代文明が滅びた後にこの遺構を誰かが見つけたら、古代遺跡として祭祀が執り行われそう…そんなポストアポカリプス的な想像を掻き立てられる。

 

内部に構造物を持つ部屋もある。

 

この部屋には井戸が。

 

RPGのダンジョンみたいだ。

 

こちらの部屋には竈が据えられる。

 

実際に使われたことはあったのだろうか。

 

少し移動。この階段を降りていく。

 

ここは司令部だろうか?

 

カッチョいいよぅ…

 

真上はカノン砲が据えられた場所。

さて、今回はここまで。

 

それでは。