おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

大分県津久見市 : 保戸島 階段巡り(4)

狭隘な路地にぽっかり空く、建物があった場所。

そこに残される基礎やタイルから、取り壊される前の間取りを想像する。

見えてくるのは、かつて生活があった空間。

前回の記事

 

階段の島をひた歩く。

降りて曲がる、それだけのことなのに三種もの階段がある。

 

 

いわゆる影タイプのトマソンだが、これを「上から見る」シチュエーションってのはなかなか無いよな。しかしこのお宅にはどうやってアクセスしていたのだろうか…

 

 

オリエンタルな雰囲気を感じるが、単に景色の一部に瓦が見切れるからというわけではなさそうだ。建物の雰囲気とか、なにか独特の空気があるのはわかるが、うまく言語化できないな。

 

 

垂直方向に非整形(という言い方が正しいかはわからないが)の土地が多いので、部屋としてというより納戸とか物置的に使われているスペースが多く、住居部分が解体されてしまってもそのまま残されているものを良く見かける。

これもトマソンの一種か。

 

 

タイルの洗い場ばかり撮ってしまう。

 

 

残されタイルから間取りを想像…

 

 

トイレの真下は便槽。

 

 

露わになった壁面に、痛々しさよりもあたたかみを感じる。

 

 

お寺へ至る階段はやはり石造り。島で切り出したものだろうか。

 

井戸の蓋も隅切り…というか形状に合わせてカットされていて、丁寧な仕事を感じた。

 

 

見よこの高低差。

 

 

降りていく。

 

 

スタート地点の港のあたりへ戻ってきた。

 

 

船へ乗るための階段。いつかあそこから漁船へ飛び乗ってみたいな。

 

 

ここにも残されタイル。

 

 

淡いグリーンが可愛らしい。

 

 

「船用衣料品店」という初めて聞くワード。

 

 

ひょうたん埋まってる。

 

 

狭い路地で、荘重な玄関を持つ建物を見つけた。

 

 

岩田屋」と書かれている。かつて旅館だったのだろう。

現在、島内には宿泊施設はなくなっており、日帰りもしくは野宿(OKなんか知らんが)でしか滞在できない。ああ、夜釣りは大丈夫なのかな?

 

 

少し湿り気を帯びた風が吹き抜けていった。

まちの情景を撮影していると、あとから見返したときに場所はいまいち思い出せなくとも、こういったその瞬間に紐づいた記憶が呼び起こされることが多々ある。

 

 

木製の引き戸、型板ガラス、タイルの意匠…

 

 

かつて水回りのタイルに凝っていた時代に、施主が職人さんに要望を伝えるときのことを想像してみる。ワクワクが止まんないだろうな。

ユニット式の浴室が当たり前になってしまった昨今において、各家庭や職人の個性が見える空間。

 

 

トンネルになった建物をくぐり抜ける。

 

 

郵便局と自転車。

基本的にどんな離島にも郵便局があって、手紙で繋がることができる。

電子メールにはない、"重量"を伴ったやり取り。

 

 

路地は緩やかにうねりながら続く。

 

 

さて、今回はここまで。

それでは。