近代建築・土木建築・遺跡・遺構
峠道を抜けると、時代を遡ったかのような感覚。外界から隔絶されたかのような僻地といっても差し支えのないような山間部に、思いもよらず開けた古い町並み。 小さな集落に残る、モダンな医院建築を訪ねた。
「音楽の町」と呼ばれる石見銀山の玄関口。 県内で唯一、平成の大合併を経験しなかった小さな集落で、かつての繁栄の名残を探す。
霧に包まれた山間の集落で迎えた朝、ひんやりとした空気が頬を刺す。 一日の営みが始まる時間帯、静かなまちを歩いた。
あえて中心市街地である益田駅周辺ではなく、その隣の駅周辺。 朝ラーで迎える雨上がりの明け方。
瀟洒な洋館の傍らに佇む日本館、その見事な対比に唸らされる。 明治期の貴紳住宅、その真髄を見た。
"日本近代建築の父"が手掛けた数々の作品の中でも、他の代表作とはやや趣を異にする貴紳住宅。 豊かな曲線によって織りなす西洋の普遍的な美と、ジャポニズムの融合。
あまりにも瀟洒なアール・ヌーヴォーの洋館と、日本庭園の対比が織りなすクラシカルな空間は、まさに"華麗なる一族"と呼ぶに相応しい富豪の邸宅。 時代を超えて受け継がれる本物の美しさに会いに。
明治初期、炭田採掘によって莫大な財を成し実業界・政界に進出した、「筑豊御三家」。 そのうちのひとり、北九州の、いや日本の産業近代化の礎を築いた炭鉱王…今や世界に進出する大企業の創始者の邸宅を訪ねた。
密集する階段の存在を全く予想しなかった集落。 これだから知らないまちを歩くのはやめられない。
旅の締めくくりにに朝の5連浴。 温泉の香りを纏い家路につく。
悲しい恋物語(?)が伝わる野湯に浸かり、早朝の散歩。 曇天の温泉郷を往く。
神社の石造物といえば、狛犬や鳥居、石灯籠を想像する人が多いだろう。 しかしそれら以外にも、境内に鎮座するレアなやつらが…
良質な石灰岩地層により古くからセメント産業が栄え、それにちなんだ地名もつけられるほどの発展を遂げてきた津久見。昭和末期以降は人口の減少が続き、やや哀愁の漂う駅前は、セメントと同じ灰色の空がよく似合う。
九州唯一の扇形機関庫は、「童話の里」玖珠町のシンボルのひとつ。 かつて駅を中心に発展した、豊後森の町並みを歩く。
カメラと財布を失くし、傷心のなかにある友人とゆるり食べ歩き。 あてもなく、ただのんびりと。
良き友と飲む酒はいつもより旨い。 すっかり上機嫌で歩く夜の門司港であったが、気分は一転、事件発生…
気の置けない友人と再会(とほぼ初対面)した夏。 ともに歩き、よく見知ったまちを案内するつもりが、自分とは違う視点が新たな発見をもたらしてくれる。複数人で散策する醍醐味。
久方ぶりの東京遠征、最終日に訪れたのは学生時代を過ごしたまち。 近い未来に消えゆく名建築と、既に無くなってしまった名建築の跡地。 都会の移りゆく速度は、あの頃の感傷に浸ることも許してはくれない。
周南市の南端、大島半島の更に端。 ふぐの延縄漁発祥の地である小さな三角形の島で、煉瓦塀に囲まれた路地を巡る。
再開発によって綺麗に明るくなった駅前で、路地を一本中に入れば昭和の風情が香る。 夜はネオンが浮かび上がるエリアを、昼下がりに歩く。
駅前の盛り場に残るバブルの香り…瀬戸内の工業地帯を支えた労働者たちの憩いの場は時代とともに廃れゆく。 夏の日差しに照らされたスナック街を歩く。
日本最初の天満宮のあるまち、防府。 至る所に飾られた紙垂が、道真公の御聖日ををまちぐるみで奉祝するムードを高める。 そしていつもの純喫茶へ。
居心地の良さに2日続けて訪れた純喫茶、火照った身体にパフェのアイスクリームが沁みる… 防府天満宮の周辺を巡る。
かつて市が開かれ、半宿のまちとして賑わった漁村集落に残る往時の面影。 商人や維新志士からの信頼も篤かったという「瀬戸内の飛脚船」の問屋が軒を連ねた通りを訪ねた。
うだるような暑さにヤラれ、涼を求めて飛び込んだのは山頭火の句碑が立つ老舗の純喫茶。 「あさせみ すみ通る コーヒーをひとり」
かつて防長に高い技術を持った石工集団がいたことを伺わせる珍橋と、地域の暮らしを支える日本最大級の円筒分水工。 防府市の土木建造物散策。
狭隘な漁港集落は、世界「最短」の地名としてPRされる。 駅のホームから見下ろす日本海が印象的な、2つの自治体に跨る町並み。
維新のまちから海沿いに沿って西へ、かつての街道を訪ねて歩く。 山間の長閑な景色に映える、美しき石橋。
流水式池泉庭園を備えた武家屋敷は、多くの維新志士たちを輩出したまちに存在する。 幕末期の日本を支えた武士たちの、水とともに生きる暮らし。
まち歩きの醍醐味は、風景や建物を通して「人々の暮らし」を見つめることであると考えている。ふらりと訪れた近代建築を眺めていると、地元の方に声を掛けられその歴史を解説していただいた。 小さな宿場町での邂逅。