街道筋・宿場町・在郷町・集落
経済の潤った農村地区、白壁に描かれる文明開化のメッセージ。 国の無形民俗文化財に選ばれた習俗は、吉兆の構図の象徴。
新春から縁起の良い鏝絵を眺め、幸先の良い一年の始まり。 古典的なものばかりではない、ユーモラスな漆喰が踊る壁面。
今旅の最終立寄地は、2つの小さな山を切り開いたまちにできた市街地。 古くからの商店街の風景に後ろ髪を引かれつつ帰路につく。
"波の子"と書いて"ハシ"と読む…なんと美しい地名だろうか。 古くから陶器の生産が盛んで、「土師器(はじき)」がその由来であるとされる集落は、今なお屋号が健在し、絆の強さが伺い知れる。
露でしっとりと濡れた集落に差し込む陽光。 温泉でほぐれた体から徐々に抜けてゆく熱を惜しみながら、早朝の散歩。
石見国の海沿いを南下。道中立ち寄った無人駅と、石州瓦の産地の町並み。 商人の町として繁栄した名残の大型屋敷群が、夕日に染まる時間帯。
美しき砂浜に伝わる優しい伝説。 浜に座り、寄せては返す波をただ眺める穏やかな時。
石見銀山で採掘された銀鉱石の積出港として栄えた港町に残る、大方の屋敷群。 島根県のほぼ中央に位置する、小さな3つの集落。
かつて素戔嗚尊と五十猛命が降り立ったと伝えられる地は、江戸期に商港として大きく発展を遂げた。近代に入り漁港へと変わっていった町並みは、今なお歴史を感じさせる屋敷が見られる。 神話の時代を語り継ぐ、港町の路地を往く。
峠道を抜けると、時代を遡ったかのような感覚。外界から隔絶されたかのような僻地といっても差し支えのないような山間部に、思いもよらず開けた古い町並み。 小さな集落に残る、モダンな医院建築を訪ねた。
「音楽の町」と呼ばれる石見銀山の玄関口。 県内で唯一、平成の大合併を経験しなかった小さな集落で、かつての繁栄の名残を探す。
霧に包まれた山間の集落で迎えた朝、ひんやりとした空気が頬を刺す。 一日の営みが始まる時間帯、静かなまちを歩いた。
冬の日本海の荒波と、吹きすさぶ風に対して、寒さを和らげるような石州瓦の色合い。 国道9号を北上し、海沿いの集落を巡る。
あえて中心市街地である益田駅周辺ではなく、その隣の駅周辺。 朝ラーで迎える雨上がりの明け方。
良質な石灰岩地層により古くからセメント産業が栄え、それにちなんだ地名もつけられるほどの発展を遂げてきた津久見。昭和末期以降は人口の減少が続き、やや哀愁の漂う駅前は、セメントと同じ灰色の空がよく似合う。
穏やかな午後の散歩、まるで実家のような居心地の温泉にて蕩けた後の一服。 夏にはたくさんのホタルの舞う清流沿いの喫茶店にて。
かつて存在した長門鉄道、その軌道に沿って歩く。 田園地帯に発達した市の名残を探した。
カメラと財布を失くし、傷心のなかにある友人とゆるり食べ歩き。 あてもなく、ただのんびりと。
山陽道のその宿場町は、緩やかな坂道の中に形成された。 呼び声が近くに聞こえることから転じて地名となった集落の、優しい町並みを往く。
いわゆる「観光地」として整備されているわけではなく、人々の生活がある風景にこそ心動かされる。 工業地区や市街地の中にぽつりと残る古い町並みを訪ねた。
瀬戸内に浮かぶ小さな島での階段巡り、狭い路地の設えさえも瀟洒であった。 風そよぐ高台から見下ろす、煌めく海面……あぁ夏。
どこまでも続く煉瓦塀と石垣。 かつて栄えた小さな漁村集落の、美しき路地との出会い。
ふらりと訪れた小さな島は、岬の重工業地帯とは対象的に長閑な漁村集落だった。 夏の日差しに焼かれる肌に、潮風が心地よい。
周南市の南端、大島半島の更に端。 ふぐの延縄漁発祥の地である小さな三角形の島で、煉瓦塀に囲まれた路地を巡る。
再開発によって綺麗に明るくなった駅前で、路地を一本中に入れば昭和の風情が香る。 夜はネオンが浮かび上がるエリアを、昼下がりに歩く。
日本最初の天満宮のあるまち、防府。 至る所に飾られた紙垂が、道真公の御聖日ををまちぐるみで奉祝するムードを高める。 そしていつもの純喫茶へ。
居心地の良さに2日続けて訪れた純喫茶、火照った身体にパフェのアイスクリームが沁みる… 防府天満宮の周辺を巡る。
かつて市が開かれ、半宿のまちとして賑わった漁村集落に残る往時の面影。 商人や維新志士からの信頼も篤かったという「瀬戸内の飛脚船」の問屋が軒を連ねた通りを訪ねた。
近代陸軍の父と呼ばれ、先見の明を持って明治維新を推し進めた傑物の出生の地。 「秋の穂の満ち渡る郷」の由来を持つ農漁村集落を歩く。
うだるような暑さにヤラれ、涼を求めて飛び込んだのは山頭火の句碑が立つ老舗の純喫茶。 「あさせみ すみ通る コーヒーをひとり」