日本海の荒波によって侵食された「海上アルプス」と呼ばれる奇岩が並び立つ、長門市の名勝、青海島(おおみじま)。
風光明媚な景観を横目に、島での人々の暮らしと文化を感じながら歩く。
前回の記事
仙崎港の砂嘴の先端から青海大橋を渡ろう。
振り返って仙崎の市街地を眺めてみる。
まず訪れたのは大泊地区。深川湾に面した漁村で、みすゞが「仙崎八景」の一つとして歌った地である。
一見凪いでいるように見える海だが、この日は風が強く、堤防に波が打ち付けて飛沫が上がっているのが見えるだろうか。
この日は天気も荒れ気味で、太陽が雲に遮られて一瞬で晴れたり曇ったり。
いい感じの商店。
青海島は2つの小島が繋がったような形状になっており、西部(本土から橋で渡ったところ)は仙崎、東部は通(かよい)という地区に大分される。大泊地区は島へ渡ってすぐの集落。
大泊集落を西へ抜ければm「波の橋立」という景勝地もあるし、遊覧船で島の周囲を一周して「海のアルプス」を眼前に拝むことも可能だが、天気が良くないとあまり楽しめない。この日は風が強くて海沿いを歩くのは躊躇われたので、サクッと次へ向かう。
次なる目的地へ一同する道中、廃校を活用した何らかの施設を発見。
かつての青海島小学校。玄関の柱はタイル貼り。
時計は正しい時刻を示している。
「青海島共和国」という施設らしい。
地域住民と観光客との交流施設のようなもの…らしい。
各教室には「国立博物館」、「迎賓館」などのテーマが設けられ、様々な展示や体験教室などを行っているようだ。正直あまり展示内容には惹かれなかったが、この様な木造平屋建ての校舎を保存してくれる取り組みはありがたい。
体育館への渡り廊下も立派だ。
次に向かったのは大日々(おおひび)地区。
小さな漁村集落で、これと言って何があるのかよく知らない…
少し歩いてみると、山口県の県花である夏みかんの原樹があることを知った。
国の史跡・天然記念物に指定される。
ちなみに山口県のガードレールは、他県の人が「黄色い」とか「オレンジ色」と言って不思議がるが、あれは夏みかんの色である。県道はすべて夏みかん色のガードレールで統一されている。花は白色なんだけどね。
民家の庭の中に説明板があった。
さて、次の集落へ。
急に夏みたいに晴れてきた。
通(かよい)地区。元禄の頃に隆盛を極めた捕鯨のまち。
ぼくの街歩きのスタンスとして、なんとなく行きたいエリアを絞ったら目的地周辺をあまり下調べしないでおくのだが、この場所も多分に漏れず同じようにふらっと訪れたら、あまりの素晴らしさに感心しきりっぱなしであった。
海に面した通りから一本中に入ると残る古い町並み。
観光地として整備されているわけでもない、建て変わって新しい家屋も珍しくもない…
それでもこんなありのままの風景に惹かれるのだ。
何らかの商店の跡だと思われる。丁寧に処理された柱の角。
波の音が聞こえる…
道幅はどんどん狭くなってゆく。
湾をぐるりと囲むように形成された家屋の合間から、港が見える。
実はちょっと階段巡りできそうだなとニラんでいたのだが、それほど数は多くなかった。
しかし良質な石段が見られたのは収穫だ。
あ、ビルトイン地蔵尊!
猫耳みたいなほっかむりがかわE。
さて、今回はここまで。
次回も引き続き通地区を歩く。
釣れたか?
それでは。
つづき