おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

島根県鹿足郡 : 日原の町並み

津和野の城下町からやや離れたところに位置する“星降る里”は、嘗て天領であり交通の要衝であったため、人の往来多く栄えたという。

日本一の清流 高津川に沿って形成された集落を歩き、せせらぎを聞きながら絶品の猪鍋をいただく。

前回の記事

 

津和野から車を走らせること20分(雪道の運転なので比較的ゆっくり走ってます)、山口へ通じる国道9号と、広島方面へ向かう国道187号が合流するあたりに、幕府の直轄領であった村、日原(にちはら)がある。宿場機能は有しておらず、在郷町であったようだ。

現在、行政的には津和野に属するが、なぜここだけ津和野藩の領地ではなかったのだろう…?歴史に明るい方、教えて下さいまし。

 

緩やかにうねりながら伸びる、かつてのメイン通り。

 

収まりの良いバス停のあたりから散策開始。小さな集落なので小一時間で回れるくらいだ。

 

うっすらと見える「焼肉ファミリーレストラン」の文字。

現在は議員さんの講演会事務所になっている模様。

 

そういや、なんで“星降る里”なのかというと、町の外れに日原天文台という日本初の公開天文台がある。

空気の澄んだこの地では、晴れた日の夜は満天の星空が広がる。都会では届かない星の光が、遮られることなく降り注ぐのだ。ロマンチックね。

 

あまり賑わいは見られず。

 

突如として現れた要塞のような建物は、津和野町商工会 日原支所

屋上の階段室?部分がまるで日本の城を思わせるような威容。

 

こーんなにかっちょいいのに、いかんせん情報が少ないのよね…有名な建築ブログなんかでも挙がってないし…。

 

日原で見てみたかったのはこちら。

 

ふたば旅館さん。建物下のトンネルをくぐり抜け玄関へ至るアプローチが面白い。

旅程(というほどのものでもない)を練っている際に、ここに宿泊しようかとも考えたが、朝早くに出発するのでもう少し遠くで宿を取っていたため、今回は見送った。

 

宿の方にお願いして外観を撮らせていただいた。
旅館の前は役所として使われていた建物らしい。

 

トンネルを抜けると四方を建物に囲まれた中庭。

 

見上げると四角く切り取られた空。

 

池に掛かる橋を渡ってエントランス。

 

ふたば旅館のすぐ先には、これまた素敵な面構えの美加登家さんという元旅館。

現在は鮎料理専門の割烹としての営業のみである。

 

鮎料理店なのに、戸袋になぜか鯉の装飾…

屋号と鯉の滝登りをかけているのだろうか。

 

数年前までは、この写真を撮るためにぼくが立っている場所のすぐ後ろに素敵な近代建築があったようだが、現在は解体されてしまったようだった。

 

タバコカウンターも捕捉。

高津川沿いに出てみる。

「これはこれ 日本一の 鮎どころ」

お隣の益田市の生まれである弁士の徳川夢声は、この清流をこう評した。

 

さて、そろそろお昼ごはんにしよう。川沿いを少し北上する。

純喫茶のような外観のレストハウス げんごろう

 

店内はどう見たって喫茶店じゃん。ソファはモケットもレザーも赤色で統一。

素敵…

冷凍の猪肉の販売も行っている。

奥はバーカウンターみたいになってるじゃん。素敵ステキ…(ちなみに夜の営業は随分前に止められたそう)

 

薪ストーブのすぐ隣、窓際の席に腰掛ける。

 

見てよこの床…

 

窓の外を見ればすぐそこに高津川。長閑だ…。

 

支流を含め一切ダムのない大きな流れは、やがて日本海へと注ぐ。

 

注文したしし鍋が運ばれてきた。

新鮮な猪ロースと野菜、底には調味料(味噌)。鍋とは言うが水は張られておらず、野菜の水分で煮る感じ。水分がなくなったら食べごろです。それまで触っちゃだめ!

 

デフォルトでご飯と卵がついてきます。すき焼きのように食べるらしい。

 

丁寧に処理された猪肉は柔らかく、臭みなど全く感じない。

噛むほどに広がる脂の旨味…おっとグルメブログでは無いのでこの辺にしとこう。

ちなみにこの時期(11月〜2月頃)が一番脂が乗ってて美味しいらしいです。

 

ごちそうさまでした。

 

 

さて、今回はここまで。

それでは。

 

つづき

 

ちなみに「げんごろう」ではイノシシの罠も販売しているそうです。