パースペクティブな三叉路。
「スナック 人来夢」。…このテの名前のスナックは割と全国どこでも見かける。
この商店街のちょうど真ん中あたりには、いったんアーケードが50mほど切れて、ちょっとした芝生広場が。周辺には、多世代交流スペースとかいう多世代と言いつつ誰が利用すんのかよくわからない施設や、創業支援カフェ(ここに限らずよくある施設だが、別にカフェじゃなくてもいいだろうと思う)、SDGs推進センターなど(シンプルに何する場所なの?というギモンしかない)、ハコモノ行政ここに極まれりといった感じのエリアがある。対して都会でもない街にあまりにも行政主導のハコの数が多すぎる。
そのハコには商店街のお客さんより多いと思われるスタッフが常駐しており、この人達の雇用を生み出すのが目的なのでは?と勘ぐってしまう。空き店舗の活用ならいざ知らず、新しく建てる必要性も感じられない。
補助金目当て、お手軽気軽な活性化策としての地域商店街活性化事業ならいらない。
止まらない人口流出に加え、市内唯一の百貨店だった井筒屋の閉店もあり、商業はガタガタ。新設予定の図書館にも巨額の税金をぶっこむことに批判が集まっている市政に対し、よその市の住人のぼくでさえ不安を覚えるレベル。大丈夫か?宇部市。
話が横道に逸れてしまった。
閑話休題。
パチンコ屋が乱立した時代も終わりを告げ、今やその残滓すらも消えようとしている。
かつて鮮やかに輝いていたであろうネオン看板は、電柱のおかげでトマソンと化してしまった。
昨今ではほとんど見られなくなった、ケータイ販売専門ショップの痕跡。
4種類のフォントを使い分けた看板。
あさりが入った最中…んなわけない。
にょきにょき。
立派な構えの元酒屋さん。(酒蔵かも?)
雨が強くなってきた。
コンビニや24時間営業の酒屋さんがない時代、周辺の居酒屋やスナックはお酒が足りなくなるとここで購入していたのだろうか?それとも一般客向け?
自転車が複数台停めてあるが、人の気配はない。
シャッターの店名を見るまでもなく、何が売ってるのか一目瞭然。実にアイコニック。
シンプル・イズ・ベスト。配色もいい。
再びアーケード内へ。
Y字に別れた左側が件の芝生広場。
かしこまったフォントと気が抜けるイラストの取り合わせが絶妙なバランス。
さて、これまで3回に渡って宇部新川駅前を見てきた。
ぼくは下関市民だが、仕事の関係で小野田や宇部の人と飲み会をするときは、たいてい新川駅前だった。コロナ禍に見舞われる前はもう少し賑わっていたように思う。
夜の街の賑やかさは、まちの活気と比例する。
歓楽街が賑わうと、治安の心配や景観の問題など、ネガティブなイメージばかりが先行してしまうが、夜間に楽しめるコンテンツが充実すれば、消費の拡大が促され、経済が活性化する。何も飲食店だけに限った話ではなく、娯楽や文化などの商業活動もまた然り。雇用の確保にもつながり、地域経済にもたらされる影響は大きい。
別にコロナ禍におけるナイトタイムエコノミーを推しているわけではない。感染を避けるためにはなるべく出歩かないほうがいいのは間違いないが、そこで働いている人たちはどうなる?
これまでに散々有識者たちが議論してきても正解がわからない問題について、ぼくみたいな素人が口を出すつもりはない。しかし正解が分からないからこそ、自分と意見が違う者を批判だけするような真似はしたくないと思う。それぞれバックグラウンドが違うからこそ、守らなきゃいけないものが違う。
何が言いたいかと言うと、そういうことを言い訳にして飲みに行きたいわけです。なかなか憚られますけどね。
もうこれ以上、友人たちが店を畳んでいったり、まちに活気がなくなっていくのは見てられないのです。
ああ、なんだか暗い話になっちゃった。
みんながハッピーに暮らせる日常が早く戻ってきますように!
最後に、宇部興産本社を望む。
ぼくのカメラ単焦点なんでズームできなくてこんな写真でゴメンナサイ。
それでは。