かつて社会現象を巻き起こし、昨今も劇場版の人気に沸く某国民的アニメの原作者の出身地、宇部。中心市街地の駅周辺が映像内に登場し、新たな「聖地」として、ファンを呼び込みまちが活性化することを期待されているが、われわれ街歩きクラスタの「聖地」はどこにあるのか。答えを求めて今日も徘徊。
以前にも当ブログで紹介したことがあるが、実に趣のある商店街だ。
これからも末永く続いてほしい。
さて、この2つ以外にもアーケード付き商店街が存在したという噂(Twitterのフォロワーさんからのタレコミ)を聞きつけたので、その名残を探しに行こうと思う。
三炭町(さんたんまち)。
三炭組潟炭鉱がこの地に創業したことに由来するというこの地名は、今では使われておらず、現在の西本町に該当する。
宇部を散策するときは曇天の日が多いような気がする…
それはさておき、鋭角に切り込む路地こそが三炭町商店街のアーケードがあった通りである。
宇部の図書館の資料室には、アーケードが掛かった状態の写真が載った写真集があるので、興味のある方は見てほしい。
南側を向けば、宇部興産本社のプラントがすぐそこに。
入口部分からいきなり気になる物件。
どうやらガラス屋さんのようだ。カッコいいね。
最盛期には映画館まで備え、かなりの賑わいを見せていたというが、今やほとんどが閉業、もしくは建て替わってしまっている。
通りの東端は道路を挟んで、中央町銀天街に接続する。
看板が外された電灯。スナックが並んでいたのだろうか?
「水蓮」はスナックかと思いきや茶房のようだ。
あまり見るところもないので、少し移動しよう。
この駅前にも戦前からの商店街があったようだ。空襲を逃れ、当時のままの入り組んだ小路が残っているらしい。(これもTwitterでのタレコミから)
んんん、トマソン…ではないかもしんない。
歩こうと思ったら、とんでもない通り雨に降られ、パンツまでずぶ濡れになったので、この日は撤退。
リベンジに来ました。良い町並みだ。
よく見ると並んでいるのは同じ形の建物たち。それぞれに塗装や装テンで個性を主張する。
造作の異なる入口。
静かな町並みにの向こうに宇部興産本社の煙突。宇部の発展は宇部興産なくしては成し得なかった。今でも市中を見守るように佇む。
駅前で出会ったのは素敵な商店跡とたばこカウンター。
現代では見かけない色使い。
道端の植物が落とす影さえ愛おしい。
駅前通りから一本中へ。
もひとつお手本のようなたばこ屋さん。
よっす。
小さい町なのに何故か雀荘が2つもありました。
毛糸屋さんって入ったことないですが可愛いですね。
お?
おお、また素敵なたばこカウンター。
橋…の横から木が生えていると思ったらすでに埋め立てられていて公園になってました。無用橋。
トマ…
トマソ…
コレもたばこカウンター?
廃墟と化した家屋。
コレもまさか…たばこカウンター?このエリアの密度濃いなぁ。
なるほどタレコミの通り、小さいながらも趣のあるまちであった。
街道筋や宿場町とは違う、近代産業で発展したまちの名残。
観光地になどなりえないほど地味ではあるが、仮初めの作られたレトロなんかより、住人の息遣いが感じられるようなこんな町並みに魅力を感じるのである。
それでは。