山陽と山陰、かつてそれぞれの街道への分岐であり、現在でも山陽本線と美祢線への接続駅がある交通の要衝、厚狭。
寝太郎の伝説が今なお語り継がれるこの半宿のまちにて、往時の繁栄の名残をさがして歩いた。
厚狭駅。自宅から2番目に近い駅だが、利用したことは殆どない。
一応山陽新幹線が(こだまのみ)停まるんだけど、需要があるのかな…?
あいにくの天気だが、駅前商店街の町並みを見ていこう。駅東側が千町商店街である。
いきなり美味しそうな物件に出会った。
「よいこのおもちゃ フクモトトーイ」。トーイだよ、トイじゃないよ。
向かいの酒店では、田舎ならではの光景が。
宿場町の雰囲気というより、むしろ大正から昭和のテイストが色濃く残る。
駅に近いところは鉄道敷設後に栄えたのだろう。
おや…?
廃旅館…?
草が生い茂っていて玄関すら窺い見る事ができない。
厚狭駅前にも大手チェーンの格安ビジネスホテルができた昨今、駅前旅館の需要はもはやノスタルジーに浸る目的以外で見出だせないのか。
更に東に進むと、通りはJR美祢線を跨いで続く。
線路を渡れば、素敵なトタンの赤色。
裏に回ってみる。
山口県独自の、夏みかん色(黄色じゃないよ)のガードレール、水路沿いの路地、琺瑯看板。
もともとお店だったのか、趣味で集めたのか判別はつかないが、絶妙なバランスの配置で周囲に溶け込む。
この切妻平入りの堂々とした物件は、「丹後屋 福永薬局」。
軒上に掲げられた看板は武田薬品の前身、武田長兵衛商店のものだそうだ。見事としか言いようのないデザイン。
こちらが調剤室?ショーケースにはリポDのフィギュア?が残されている。床のタイルもレトロモダン。
木製の薬品棚とカウンター。閉業して随分経っていそうだが、なんとなく人が出入りしているような痕跡がある。
英会話 (文法・数学コース)ってなんだ?
ニューダンス…?いけばな。いろいろ教えてくれるようだ。HELLO!! LET'S ENJOY CULTUREだもん。
まさにダイナマイト級のインパクト、ダイナマイト羊羹💣。
見た目がダイナマイトのような羊羹であるのは読者諸賢の想像に難くないだろうが、その由来は厚狭にある日本化薬の工場でダイナマイトを製造していたことから。
立派な趣の町屋は、もと金物店だったそう。
ペイペイ使えます。野村時計店。
さて、今回はここまで。なぜか進行方向の反対を向いた写真ばかり撮ってるな…。
次回はこの商店街から、厚東川(ことうがわ)に架かる鴨橋を渡ってまっすぐ続く「本町商店街」へ。
それでは。
つづき