おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

下松市 : 下松駅前の町並み(1)

駅前の盛り場に残るバブルの香り…瀬戸内の工業地帯を支えた労働者たちの憩いの場は時代とともに廃れゆく。

夏の日差しに照らされたスナック街を歩く。

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下松…あまり馴染みがないまちである。市街地にはコンサートで何度か訪れたことがあるほか、笠戸島に何度か行ったぐらいか。

以前にも書いたような気がするが、下関市民のぼくにとって生活圏は北九州市宇部あたりで、ちょっとしたお出かけならまぁ萩・山口・防府あたりまで行こうかって感じにもなるのだが、それより東になると結構気合い入れて行く感じになるのよね。車移動だとなおさら。福岡行く方が近いもん。

 

それでもカメラを持ってまち歩きをするようになってからは、やたらと早起きしてあてもなく遠くのまちへ出かけることが増えた気がする。特に買い物とかイベントがあるわけでもないのに。楽しいから良いんだけど。

というわけで下松駅前へやってきた。

ちなみに今回も宿泊を伴うお出かけである。前回の記事の内容から2日後の出来事であるが例によって旅行支援の宿泊券(昨年の夏の話です)の消費のため、止むに止まれぬお出かけである、ということを妻の機嫌が悪くならないようお知りおき頂きたい。

前回の記事

 

時刻は正午過ぎ、実は午前中にもちょこっと寄り道をしてきたのだが、単体で記事にするにはボリュームが足りないので、そちらについてはまたストックが増えたときに書きます。

 

古い手書きの案内板を見つけたが、この中にあるお店がいったいどれほど残っているのだろうか…

っていうか理容店がお寺より大きかったりいろいろサイズ感がおかしい気がするが、広告掲載の料金に応じて大きさが変わるんでしょうね。

 

駅前といえば盛り場。

令和の時代に逆に新鮮で映えるカラオケ喫茶の看板のフォント。

 

うーむそそられる店構え。一升びん抱えて飛び込みたい…

 

全くレモンっぽくない色合いの看板の横に、何やら素敵な小路を見つけた。

 

「素人料理 京子」。家庭の味と解釈して良いのだろうか。

 

「すなっく なでしこ」の傘付き照明。

 

あ!ネコチャン落ちてます。

 

日はてっぺんを過ぎたあたり。細い路地にも真夏の陽光が降り注ぐ。

 

振り返る。茶色のなかに鮮やかなパイロンとアマリリスの赤。

 

路地を抜けると少し広くなった場所にスナックの跡がいくつか。

 

エメラルドグリーンの看板が植物の緑に侵食される。

翠緑の魔力。

 

ペールブルーの柔らかなトーンを、キリッとした強い青の看板と黒い扉が引き締める。

 

角と丸、2つの入口の形の違いを楽しもう。

 

誰の気配もしない路地で、夏が蠢く。

 

線路沿いにスナックが連なる。

 

一本南側の通りへ入ると、華やかな時代の残滓。

 

ややサイケデリックファサードが逆に今風。シティポップとかまた流行ってるしね。

母親が若い時こういう感じの服着てた気がする。ザ・80年代って感じ。

 

狭い路地で空を仰げば、看板建築の予感。

 

すごいなコレ…スナックが数軒連なった長屋みたいな作りなんだけど、ここだけ見たら劇場や映画館と言われてもしっくり来る。

 

側面から見ると日本家屋、マドンナ、イギリス、わが家…

ごった煮状態のカオスさがバブルっぽくて良い。

 

「イギリス」のフォントも素敵。

 

看板建築が犇くが、ベースが町家なのでこういう建物が突如として現れる。

ブルーの手摺とアデリアのレトログラスみたいなガラスがアクセント。

 

「愛夢留」と書いてAmour…

装テンが微妙に反ってるのもポイント高い。

 

何と言ってもこの通りの白眉はこの建物だろう。

 

石が張られたオーダーと、柱頭に乗った破風。

口腔内を表現したのかデンティルは「歯」そのものだ。

 

圧倒的な存在感に立ち尽くす…

 

おそらく隣で営業中の内科医院の古い建物だと思われるが、歯医者と言われればそれっぽくもある。一部古いサッシも残されている。

※現在この建物は解体されてしまったようです

 

フレッシュなライムグリーンが目立つ喫茶店は、「Tea Room」と「珈琲」の文字の対比が面白い。

 

2階の小さな窓と色褪せた装テン。

 

誰かのあまり上手ではないカラオケが聴こえてくる。

ゴキゲンな昼下がりだなぁ。

 

さて、今回はここまで。

それでは。

つづき