全国的にも類を見ないほど現存する木造アーケードが多い北九州市。
その中でも比較的小さな市場にスポットを当ててみよう。地元住人の生活を支える商店は今なお静かに営業し、各家庭の食卓に彩りを添える。
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2022年は北九州市の木造アーケード市場に全国が全国に知れ渡った年であった。
4月、そして8月と二度に渡る旦過市場(小倉北区)の火災、そして10月には枝光中央商店街(八幡東区)でも火災が…。
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冒頭に記したように、北九州には木造アーケードの商店街が今でも非常に多く残っている。しかしここ10年余りで急激に姿を消していった。その役目をスーパーに取って代わられたことや後継者不在問題はもちろん、火災での(一部)焼失が主な原因である。歴史ある、といえば聞こえはいいが、要は古くて燃えやすいのである。現代の防災基準には則していないといっても過言ではない。
それでもなお文化を守ろうと尽力される商店の皆さんには頭が下がる思いである…が、どうかこれ以上不幸な出来事が起きないよう、より防災意識を高めて欲しいし、それができないなら廃れて然るべきだ、とも思う。まぁどの目線で言ってるんだって感じだが、こればっかりは地域住人の意見も同一であろう。
さて、今回(といってももう随分前なんですけど…相変わらず記事にするまでに時間がかかるので写真のストックが増えていくばかりT_T)歩いたのは、小倉北区の赤坂・富野地区。
まずは昭栄町市場と呼ばれる市場を訪れた。ここは現在営業しているのは酒屋さん1軒のみ。
さっそく中に入ってみよう。
トンネル状になった内部は濃淡はあってもほぼ茶色一色。その中で手前の自動販売機とビールケースが浮いたように鮮やかだ。
かつて日中に陳列台が並び賑わっていたのであろう。
並行を出して撮影したつもりなのだが…やや傾いている?
店舗兼住宅であったと思われるから、二階部分は居住部の一角なのかな…。いずれにせよ内部の構造が気になる。
食品燃料 富久屋。しまった鑑札をチェックするの忘れた…。
NHKのステッカーが見られるから、住居も兼ねているのは間違いないだろう。
このバイクは生きてるっぽいな。しかしなぜnon-noのカーゴ?本屋さんの配達用?…って本屋さん無いけど…
反対側から。
平面トラスの連続に美しさを感じる。
お次は少し歩いたところにある富野市場…と言いたいところだが、ここはおよそ10年ほど前に火災で焼失。
数件は焼失を免れたそうだが閉店が続き、現在は残った鮮魚店2軒が新店舗にて営業を続けるのみである。
ちょうどここに奥行きのある木造アーケードがあった。
そこころはまだ写真を撮ってなかったので記録は残ってないのだが…
手前の鮮魚店の前には、大きな貝殻をエサ皿にするネコチャン!
かわE。
お向かいにあるパン屋さんは装テンがほぼ無くなってしまっている。
かつては人気店だったのだが…もう営業していないようだ。
周辺を少し歩く。歯科のかわE看板を発見。
キツツキが歯を削ってるってことね。
ちょうどのあたりにかじかショッピングタウンというアーケード併設のマーケットもあったのだが…こちらも解体されてしまっていた。
富野市場のすぐ近くにも木造アーケードの富野新市場。
こちらも数年前に解体され名残を少し残すのみ。
一部残った部分を見てみよう。
天井は落ち、荒れているものの、店舗の看板跡が見て取れる。
反対側から。こちらはキレイに張替えされている。解体後も一部店舗は営業していたということだろうか。
国道3号沿いに移動。小さな小さな市場がもう一つ。
赤坂市場。
もとはこちらももう少し大きい規模だったようだが、富野市場と同じく数年前に火災で大部分を焼失。今は焼失を免れた精肉店と生活雑貨を扱う店、アーケードの外側に鮮魚店(これは後から入ったらしい)の3店舗のみ営業中。
もはや庇を少し残してアーケードを撤去したほうが目に付きやすいのではないかと思える。
決して豊富な品ぞろえとは言えないが、スーパーにはない「何か」が陳列されているような気がする。
さて、今回はここまで。
それでは。