歴史的風土と多くの近代化産業遺産…観光地として賑わうまちの、観光スポットではないところ。艶のある町並みの名残をさがす。
門司区東本町、かつてこの地には「馬場遊廓」と呼ばれる歓楽街があった。
手元の資料によると成立は明治27年、現在の門司区の中では2番目に古い。最盛期は150人にも及ぶ娼妓を抱えたと言われている。
ふぐに食べられる車…ではなくて関門トンネルの門司港側の入り口。
ここから海に向かって少し歩けば旧町名「内本町」。馬場遊廓のあった一帯だ。
すぐに見つかったこの建物、緑色を基調としたタイル使いが美しい。
二階の窓をよく見ると、かつての欄干がそのまま残されている。
裏側へ回ってみる。
軒高がバラバラなのにまとまりがあるように見えるのは、この一角だけ昭和に取り残されているように見えるからか。
その向かいの建物にもかすかに残る妖艶な雰囲気。欄干の透かしが控え目に主張する。
残念ながらもう「それ」と分かる建物はこのぐらいしか残っていない。数年前にはもう数件あったんだけどな…googleマップのストリートビューなどでは他にも少し確認することができる。
遊廓エリアから離れ、少し周辺を散策してみよう。
(冬の夕方に散策したので写真が薄暗いです…)
下関側から門司港側へ向けて関門トンネルを抜けるとすぐそびえるこの煉瓦づくの防火壁。
このあたりをよく通る方は見覚えがあるだろう。
ぐるりと回ってみる。こちらは板塀。すぐ後ろが道路で引きがとれない。
正面へ。
「岩田商店」の文字。
岩田家住宅として市の指定文化財に登録される建物である。
こちら側の防火壁はコンクリの土台にイギリス積みの煉瓦。
「うだつ」を備えた立派な邸宅跡である。
母屋の奥には土蔵もある。
道路を渡って老松方面へ。
なにやら気になる廃墟。
二階部分にも玄関がある。
間口の広い木製ドアの玄関。
側面には影タイプのトマソン。こちら側からもアクセスできる。
屋上のバラックも気になる。
建物は斜面に立っており、半地下になっている部分があるようだ。
裏側へ回ってみると…
先程の半地下部分の内部。緑に飲み込まれつつある様が美しい。
この建物は一体何だったのだろう?ご存知の方がいたら教えてほしい。
さて、またしばらく周辺を歩く。
タイルの袖壁を持つお宅。
なにか書いてある。「○○タイル貼○」…
こんな素敵な物件が隠れていたとは…
ここを紹介しているブログ等も見たことがない。
今回はここまで。次回はもう少し散策範囲を広げて東門司の方へ。
最後に、老松町で見つけた小さなトマソン。
それでは。
つづき