関門トンネルの門司港側入り口を、少し西へ進めば前回歩いた馬場遊廓のあったエリアだ。今回はそこから国道2号線を挟んで反対側、トンネル入口を東に進んだ東門司〜畑田のあたりを散策する。
早速見つけたのはこちらの建物。元旅館だろうか。
シンプルながらも品のある意匠をもった玄関アプローチ。
中が気になって仕方がない。
こちらは現代版転業旅館、ゲストハウスとして営業されている。
こういうのはできるだけ手を加えないほうがカッコいいのに…って思っちゃうぼくは鄙びた駅前旅館や商人宿が好き。それか東横INNみたいなふつーのビジホのほうが良い。
以下あんまり大きな声で言わないけれど個人的感想
オシャレこじらせた感じで全く好きじゃない。というか、こういうところにありがちな「何でもかんでもNPO作って運営すりゃいいんでしょ?」的な風潮も嫌い(この物件のことじゃないですよ!こちらは合同会社の運営なので)。
どちらかというと歴史の暗部と言うか、アングラな分野なので、浅くともその地のことを多少学んでから立ち入ってほしいなぁ、と思う。赤線青線なんて全く知らないであろう若者をテキトーに雰囲気だけオシャレにして呼び込んではいけないと思うんだ。
ま、あくまでもぼくの好き嫌いの話ですので、誰のことも非難しませんし否定もしません。
ちなみにこのゲストハウスを「元遊廓」として紹介しているサイトもあるが、廓の外だし、建てられた時代から言って私娼宿だと思われる。青線地帯だったのかもしれない。
閑話休題、散策続行。
煉瓦塀といけず石。…いけず石?
いけず石…なのだろうか?
なぜわざわざ街区表示板の上に雨樋を取り付けたのかも気になる。
階段の先に、少し異質な空気を感じた。
古びた井戸と、廃屋群。
電柱には「浪花幹」。旧町名を調べても「浪花」というのは見当たらなかったが、かつて近くに「なにわ湯」という銭湯があったことは確認できた。
あ、奥の廃屋にトマソンあるな、高所ドア。
右手のお宅からは人の気配がする。
見やすくするため少しシャドウを持ち上げているが、撮影したのが冬の夕方なのもあって、かなり薄暗く、空気が重苦しい。足早に退散する。
道を引き返し階段を降りたところで思わず声が出た。
ビルトインお地蔵様。ちょっと怖い…
アールの屋根と隅切りされた入口の対比、「理容 ヤマシタ」。
こんな消防水利の表示は初めて見た。
畑田町方面へ。ちなみにこのあたりでも階段をたくさん収穫できたので、それらはまたの機会に紹介したい。
廃アパート。
奥まったところにまた薄気味悪い一角。
治安の悪そうな駐車場…
この駐車場のすぐ上の土地はおそらく、九州の伝説のヤクザ「大長健一」が住んでいた戦災住宅があったところだと思われる。
大長健一についてはコチラ。
そのまま清見方面へ。
警戒されてる…
こっちでは睨まれるし…
苔のある風景(屋根に)。
「きく湯」さん。門司港に唯一残る銭湯。
この日はお休み。
普段はこんな感じで賑わってます。お風呂レポはまた今度。
装テンの上のプランターが落ちてこないかヒヤヒヤする。
さて、今回はここまで。次回は老松の商店街を紹介しようか。
それでは。