おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

美祢市 : 集落巡り(5) 厚保

肥沃な土壌で昼夜の気温差が大きいため、栗の特産地として県内外から知られる厚保。

小さな集落に佇む旧郵便局舎の定点観測の記録と、知る人ぞ知る隠し湯を求めて。

前回の美祢市の記事

美祢市の西に位置し、下関市に隣接する厚保の集落、「あつ」と読む。「あつほ」じゃないよ。

特にこれといって何があるのか…よく知らない(下関以外はたいていこのパターンばっかりですね)。「厚保くり」と呼ばれる栗が特産であることぐらいか。かつては年貢として栗が収められたこともあったという。とっても美味しいです。

あとは来島又兵衛の出生地だとかなんとか。神功皇后を祀る神社もあるので、朝鮮出兵にも関わりがある地なのかもしれない。

まぁぼくは歴史クラスタではないので、詳しい話はどなたか解説願います。

 

市が開かれた風でもなく、古民家が特別多く残っているわけではないため、「町並み」というような写真が撮れていないことに気付く。撮っていたのはネコチャン!と、とある建物ばかり。その建物を紹介しよう。

旧厚保郵便局

1934年に竣工。美祢西I.Cを降りてすぐ目に入るため、何年も前から通りがかるたびに気にしているのだが、解体されたり改装して活用するなどの動きは一向に見られない。

 

外壁をキャンバスにするように蔦が縦横無尽に走る。

長らく放置されているのにあらされたり侵入の形跡が見られないのは、すぐとなりが桜田門組(おまわりさんです)の詰め所があるからであろう。

 

入り口には「〒厚保郵便局」の文字。

もちろん機能は新しい局舎に移転している。

 

内部にはカウンターがあり、小包、貯金といった文字が読み取れる。

 

反対側へ回る。平屋部分は局員の宿直室だろうか。

内部が見てみたいものだ。

 

ここまでは春(4月)の様子をお伝えした。

 

お次は夏(7月)。

毎年この時期にはモジャ物件へと変貌を遂げる。

 

ポストアポカリプスの世界。

 

なんかこういうキャラクターがいそう。

 

緑に飲まれ。

 

秋である(11月)。というか初冬ぐらいですかね。

一番好きな季節。

 

美しいグラデーションのなかに、少しの妖しさを見る。

クリスマスカラーが12月まではきっと持たない。

 

月が出ていた。日が暮れるね…

 

冬(2月)の枯れモジャ。

ようやくキャノピーの逓信省マークが見えた。

 

見上げると軒天に施された装飾に気付く。

 

あれだけもっさりと覆っていたものが無くなると、こっちのほうが逆に違和感を覚えるな…。

 

割れたガラス窓から覗くとゆうちょマーク。

 

貯金 為替 振替 年金…

 

久しぶりに髭を剃ったら男前な顔が顕れた、みたいな。

 

少し離れたところから。このあたりでは一番背の高い建物だというのに、とてもかわいらしく見える。

さて、ちょっと周辺を歩きますかね…

 

商店だったと思われる家屋。

 

タバコカウンターを備えていた。

               

煙突が見える。今は営業してなさそうだが酒造場っぽい。

 

周辺にはネコチャン!がとても多い。

 

特に気に入ったのはこちら。

水路を渡ってすぐ玄関、ではなく1歩横にずれる奥ゆかしさ。

まぁ玄関ではなく勝手口だとは思うが。今でもここで野菜洗ってたりするのかな。

 

さて、もう一つの目的地、山口県四大秘湯(と勝手に呼んでいる)うちの一角に向かおう。

ここ。「ゆる〜と」にも載ってないし、何の目印もない。

 

厚保老人憩の家。「憩」なのか「憩い」なのか。美祢市立とのことだが、設置に関する条例等を見ると表記にブレがあるようだ。60歳以上の地域住人の方を対象とした施設のようだが、普通に利用できる。

施設利用は無料だが、入浴料(入湯税?)が100円ぐらいだったような気がする。

 

お金を払って中に入ると、受付の周辺で近所のおばちゃん達が談笑しておられた。

「今おばちゃんがひとり入っとるけちょっと待っちょってね〜」と広間に通される。

話を聞くと、男湯と女湯は別れているものの、利用者がそれほど多くないためどちらか片方のみを開けているそうだ。

 

しばらくテレビを見ながら待っていると、「兄ちゃんコーヒー淹れたけど飲む?お菓子も食べり!」ともてなしを受けた。この圧倒的「ばあちゃんち」感よ…

 

さてさて、そうこうしているうちに湯が空いた。

さっそく頂くとしよう。

 

一応温泉ではあるが、これといって特徴のある湯ではない。

しかし湯だけでなくおばさま方の優しさが温かい。

 

とりあえず成分表。

 

 

さて、今回はここまで。

それでは。