おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

下関市 : 城下町長府の町並み(2)

紅く燃ゆる木々と、まだ染まりたくない緑が織りなすコントラストが茶色の練塀に映える。

その美しさは紡いてきた歴史が証明する。秋の城下町散策。

前回の記事

前回の記事では桜の時期の城下町を歩いた。今回は秋。

個人的にはこの時期こそが長府というまちの真骨頂だと感じる。

 

いきなり本瓦の素敵な門に出会う。

前回の記事でも書いたが、こういうのがごろごろあるのが長府というまちなのだ。

 

裏鬼門除けに庚申さん。交際煉瓦の塀が傾いているのが気になる…

 

素敵なお宅が売りに出てる。ご興味ある方、ぜひどうぞ。

 

最初の目的地はコチラ。笑山寺、功山寺と並ぶ由緒ある寺院のひとつ、覚苑寺。紅葉の名所としても知られる。

 

長府を代表する古刹であるからして、長府毛利家の菩提寺でもある。

かつては寺禄も大きく、七堂伽藍を有していたという。

 

本堂である大雄宝殿(だいおうほうでん、市登文)は、周防三田尻にあった黄檗宗寺院の海蔵醍醐寺の本堂として寛政六年に建立されたもので、明治八年、廃寺となっていた海蔵醍醐寺から覚苑寺に移築された。
典型的な黄檗宗寺院の特徴を示す。

 

決して華美ではない、しかし見入ってしまう魅力がある。

 

境内には長府で出生した近代日本画の父、狩野芳崖銅像と、

 

かつての陸軍大将、乃木希典銅像が立つ。

 

また、長門国国府であったことから国司が鋳銭司を兼ね、和同開珎の鋳造を行った長門鋳銭所跡や、陶器の工房などがある。

 

さて、また歩いて行こう。

 

武家屋敷の長屋門。「門」っていうかもはや家じゃん、っていうデカさ。

 

こりゃ立派な蔵。

 

そんな蔵を備えるのはこりゃまたドデカイ武家屋敷。

こういった邸宅が無住になり一般公開されているのではなく、現在もお住まいの民家として生活に溶け込むのが長府なのだ。

 

前回に続き、ここを訪れないわけには行くまい、横枕小路

 

普段は静かなこの路地も、この時期は観光客が行き交う。

 

色づく紅葉。

 

この細く、それほど長くもない小路に、どれだけの時間立ち尽くしていただろうか。

そろそろ移動しよう。

 

横枕小路を東へ抜け、そこから南へ。

 

武家屋敷が並んだだけあって本瓦をよく見かける。

 

少し歩くと見えてきたのは煉瓦造りの近代建築。

 

大正2年築、旧長府町立図書館書庫。
現在は長府図書館下関文書館として活用される。高校生のころ、よくここの図書館で勉強したなぁ。

 

練塀と赤煉瓦の対比。

 

隣に並ぶ現在の図書館の丸窓も良い。

 

一階部分(イギリス積み)と二階部分(長手積み)で積み方が異なっているが(柱部分などは長手積み)、なにが理由があるのだろうか?

 

 

さて、今回はここまで。

それでは。

 

つづき