おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

下関市 : 城下町長府の町並み(7)

丘の上から淋しげに海峡を見下ろす鯨と、工業港の傍らの小さな漁港。

海辺の城下町と、幻の洋館について。

前回の記事

 

櫛崎城の天守台から海側を望めば、鯨のしっぽ???

 

鯨館。下関で創業したマルハ(当時は大洋漁業、現マルハニチロ)が、関門国道トンネル開通と市制70周年を記念して開催された「下関大博覧会」に合わせて大林組に発注、後に市に寄贈した。

 

かつてすぐ近くにあった下関市立水族館の別館で、丘の上に立つ姿はこの地のシンボルでもあった。市立水族館は現在は海響館として唐戸地区にリニューアルし(確か閉館直前に台風でかなり被害を受けていた記憶がある)、ここは倉庫としてのみ残されている。

 

泣いてるの…?

 

丘の上から静かに海を望む鯨…市民からは活用を求める声も少なくない。

 

ちょっと寂しげ。

現在水族館のあった場所は、関門医療センターという国立病院が立っている。

ここには他にもボウリング場にスケートリンク、ホテルに遊園地もあった。

さいころ、おじいちゃんに連れられて良く水族館来てたな…

現在は病院のほかマンションにホームセンター、高級ホテルにスーパー、ドラッグストアなどが並ぶ。

 

その駐車場から山手を見ると、石垣と階段。

 

左右には立派な宅が並ぶ。玄関開いてたのでちらっと見えたけど、白いグランドピアノがおいてあるお宅も。

 

上っていきます。

 

雨降ってたり酔っ払ってたりすると大変だろうな…などと思ってしまう。

 

振り返る。対岸には門司。

 

このあたりにも土塀があったのか。

 

この辺は車だと入ってこれないな。

 

素敵なアプローチのお宅。

 

下関市立美術館や長府庭園に続く道。

桜並木が美しい。

 

長府庭園の裏手に、かなり立派な門がある。

 

門扉の隙間からちらりと覗き見ることしかできないが、木々に囲まれた幅の広い道が続いているのみで、家屋は見えない。

ここは長府庭園の影に隠れていてあまり知られていないが、下関の海運業で栄えた田中隆という人の邸宅跡で、現在は三菱重工 下関造船所の管理物件となっている。

 

出典 : 松葉一清《やまぐち建築ノート》| マツノ書店


ここにはA.ハンセル設計による西洋館(未完のままだが、完成していればハンセルの最高傑作とも名高い建築らしい)の遺構が残されており、いつか内部を見たいと思っているのだが、一般公開などはされていないため難しい…

 

出典 : 松葉一清《やまぐち建築ノート》| マツノ書房

 

一度も人が住むことがないまま、一時は朽ちるのを待つばかりであったが(このあたりは古川薫著の短編集『海と西洋館(筑摩書房)』にて詳しく語られている)、現在は手が加えられ、一階の一部をモニュメントのように残しているとも聞く。

和館と庭園は今も管理され、おそらく同社の福利厚生施設として利用されているのではないか。

 

ちなみに田中隆は中国の革命家 孫文を支援しており、その返礼にと古代種の蓮の種を譲り受け、長府庭園に植えられた。これは後に「孫文蓮」として知られる蓮の品種である。

古来、中国では蓮は高潔な君子の交わりを意味するものとされ、その故事に倣って贈ったとされる。

 

さて、また周辺を歩きます。

いい階段といい車庫。

 

これは…ちょっと怖くないか?

 

さて、ちょっと場所を移して長府漁港へ。

あら…やってないのけ…?と思ったらコロナ禍で長いこと閉めていたようだ。なんでもぼちぼち復活するとか。

 

小さな漁港ではあるがたしか日曜は朝市やってて、マグロの解体ショーとかたこ焼きを無料で振る舞ったりとかやってた気がするなぁ。高校生の頃の記憶だけど。

 

うう…なんでそんなにリアルに作ったんだよう…もうちょっとデフォルメしろよ…

 

そうそう、ここへは長期の入院(なんと4ヶ月超!)から帰ってきた愛車の写真を撮ろうと思ってやってきたんだった。いい場所無いかな〜と思ってるとあっという間にヤン車(ニャン車)に取り囲まれ…

 

もうめちゃくちゃ。

 

 

さて、今回はここまで。

それでは。