おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

長門市 : 長門湯本温泉(3)

御馳走に舌鼓を打ったのち、夜の温泉街に繰り出す。

いつもより少し賑やかなお祭りの夜、缶チューハイ片手にひとりそぞろ歩き。

前回の記事

 

夕食の時間だ。

一回フロント横の部屋が夕食会場。

 

なんというか雑多な感じが、鄙びた食堂のような風情で大変良い。

料理を運んでくれる女将さんが、維新志士たちの集合写真(フルベッキ群像写真)を指さして、「あれは坂本龍馬よ、知ってる?」と聞いてきたので、「知ってる」と答えておいた。う、うーん…その写真は…

 

それでは宴をはじめます。

 

まずはふぐの刺身から。

ぼくは下関市民なのでふぐには少しうるさい…ということもなく。

下関在住だからといってみんなが日常的にふぐを食べるとかいうことはない。だって普通にとらふぐはこっちでも高いからね。

少しクタっと熟成され、程よい歯ごたえを感じる厚さにスライスされた身は、淡白な旨味がポン酢によってきゅっと締まってビールと合うんだこれが。皮を刺し身で巻いて、「むにゅ、ときどきコリコリ」みたいな食感のコントラストを楽しむのも良い。欲を言えば芽葱が欲しい。

 

なんかこの調子で語ってるとグルメブログみたいになっちゃうのでもうちょっとテンポよくいこう。

刺盛り。イカは仙崎のものだろうか。ヒラマサの熟成具合が良い。

 

帆立のしっかりした味付けがなんとも好みだった。

 

揚げたてで出てきた天ぷらをはふはふ言いながら頬張る。ビールが加速するっ…

 

うなぎの柳川風。溶き卵を落とす瞬間の幸福感よ。

しっかり夕食を堪能した。部屋に戻って本でも読んでゆっくりして、またちょっと散歩でもしようか。

部屋に戻る道すがら、廊下の窓から外を見やれば、なんと美しい逢魔が時

 

これは本読んでる場合じゃないな。今しなきゃいけないのはそぞろ歩きだ。

 

というわけで食後の腹ごなしも兼ねて歩きます。

 

ライトアップされる竹林の階段。

綺麗…そう、綺麗だとは思うんだが、やはりどこか違和感が拭えない。

 

これがリニューアル後の「恩湯」。

話のタネに一度入っとくべきかとも思ったが、ちょっと混雑してたようなのでもう少し後にする。ホームページ上でリアルタイムの混雑状況が確認できるのだ。(すごい!)

 

ちょっとここで前回・前々回と話題に上げている「恩湯」についての思いを述べてみたい。

 

この長門湯本の元湯たる縁起については以前少し書いたが、リニューアル前の佇まいはこの写真のようなものであった。

※画像は恩湯公式HP(https://onto.jp/)より

ぼくが知る恩湯は一番右側のもの。

夜になるとこんな感じである。

※画像は恩湯公式HP(https://onto.jp/)より

唐破風を持つ和風建築に、ちょっとバブルの香りのするネオンと可愛らしいキャラクター…

これが往年の長門湯本温泉のイメージであった。

 

ちなみにこのネオンの一部は、温泉街内のブリュワリー サンロクロクビール で保存されている。

 

保存してくれて本当に嬉しいんだけど、こういう残され方は想定してなかったな…

コレジャナイ感というか、昔の恩湯が好きな人はきっと同じ感想を抱くのでは…?

(※個人の感想です、お気を悪くされた方がいたらすみません)

 

長門湯本のアイコンと言っても過言ではなかったあのキャラクターのネオンはどこにあるのか分からないが、前回も載せた写真で一応その姿を確認できる。

 

リニューアル前は公営ということもあり、入浴料は¥200ほどだったと思うのだが、現在はプロポーザルを通して選定された民間企業(といっても代表は長門湯本の高級旅館の役員らで構成されている)に変わりなんと¥900(長門市民は割引あり)。

ちなみに以前は車ですぐ横まで入ってこれて駐車場は無料だったのが、現在はさっきの竹林の階段の上に有料の駐車場があり、そちらを利用する他ない。駐車場代と合わせれば立ち寄り湯の利用でも1000円を超える。(どこか泊まるなら宿で駐車場サービスを受けられると思う)

 

先程の竹林の階段は、雨の日には滑りやすい。お年寄りには少々しんどいかもしれない。

一応バリアフリーには配慮してあるのかスロープも設置されるが…

 

っていうかさっきHP見たら"一番風呂"貸切¥30,000/1時間とか書いてあるんだけど何コレ?民間企業の経営だからさ、そりゃ価格は自由でしょうが、これが元"公衆浴場"?うぅーむ…

ちなみにホームページの「特定商取引法に基づく表記」と「プライバシーポリシー」のリンクは文字とズレてるのかうまくクリックできない。大丈夫か…?

 

さて、気を取り直してお風呂入りましょ。

やってきたのは利重旅館のちょっと下のあたりにある「原田屋旅館」さん。

もちろんこの宿も源泉かけ流しである。

 

受付で入浴料¥500を支払い、浴室まで案内してもらう。

 

おお、ここもなかなか迷路のようである。

 

目当てだった大浴場は残念ながら女性の入浴時間だったようで、小浴場の方だった。

しかし独泉状態で堪能できたのでラッキー。ここもおそらく少し加温されており、適温にて入浴できた。豆タイルも可愛らしい。

 

えーとここから玄関の方へ戻るには、階段を一旦上がって、またすぐ下りて…

 

次回は大浴場に入ろう。

 

照明に照らされる赤い絨毯。

 

外はすっかり夜であった。

原田屋さんを出ると、音信川を挟んで向かいの公園が何やらにぎやかだ。

ちょっと行ってみよう。

 

おや、お祭りやってる。そういや冬以外の時期は毎月第一土曜に夜市があるって原田屋の旦那さん言ってたな。

 

ちょうど誰かがアコースティックな雰囲気のライブをやってたので、缶チューハイをカシュッとやって少し耳を傾ける。

出店なんかはそこまで多くないが、子連れも多くそこそこ賑わっている。

すぐ近くにある足湯に浸かって一杯やりながら、長門名物の焼き鳥を頬張る人も。最高かよ…(長門市は人口あたりの焼き鳥店の数が日本トップクラスである)。

 

良い夜だね…

いろいろ思うところはあれど、これまでリニューアル後に来るのを避けてたのがもったいないように思えてきた。

 

さて、今回はここまで。

次回、いよいよ恩湯へ(ようやくかよ)。

それでは。

つづき