おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

長門市 : 俵山温泉(1)

近場ゆえ、これまであえて泊まることのなかった温泉宿に初めての宿泊。

山間部の名湯に沈む二人と一匹…

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先日の記事から山口県内の温泉旅館の宿泊記が続いている(前回の宿泊の翌週である)が、以前述べたように全国旅行支援の一環であるプレミアム宿泊券(2022年の話です)の消費のために仕方なくである。

そう、仕方なく。決して暇な訳では無いと念を押しておく。

っていうか割引もあるし全然宿泊券減らないのよね…。

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さて、俵山温泉。既に陽が傾いている。

今回は仕事終わりに訪れたため、日中に散策(と云う名の徘徊)はしていない。

ちなみに珍しく一人ではなく、妻と愛犬が一緒である。そう、ペットOKの宿での宿泊。

たまには家族サービスしとかないとね…

 

少し離れた駐車場に車を留め、宿を目指す。

この温泉街の縁起については過去記事でも書いたが、白猿に化けた薬師如来が湯の湧くところを里人に示したという伝説によるため、町内では猿モチーフのイラストなどをよく見かける。

 

夕暮れの温泉街。もともとあまり多く人が訪れる様なまちではないが、この日はいつもよりひっそりとしていた気がした。

 

本日のお宿はこちら、「旅館 泉屋」さん。

 

表からは二階建てのように見えるが、庭園に面した裏側は一段低くなっており実際は三階建てである。

気の良いご主人と女将さんが迎えてくれた。まずは部屋へ。

 

通されたのは玄関(二階)の階段を登ってすぐ、三階の襖で区切られた奥の部屋。

表側の通りに面している。

 

部屋の全景撮るの忘れた…。

19時過ぎての到着だったので既に布団が用意してあった。

 

広縁スペースも有り〼。

 

普段であれば夕食の準備が整うまでまずはひとっ風呂浴びたいところだが、この俵山温泉は昔ながらの湯治場で、内湯を持つ宿は少ない。この泉屋さんも外湯に通うスタイルの旅館だ。

というか今でも内湯ありで営業しているのは1軒だけ?平成の温泉番付では西の横綱に輝き、最盛期は50軒弱ほども宿があった俵山温泉であるが、近年の観光客の減少、コロナ禍での営業縮小などが相まってかなり寂れてしまっている。

 

部屋でぼうっと待っておくのもアレなので、館内の散策をしましょうか。

先程も書いた通り、裏手は一段低くなっており、表通りの玄関から下へ客室スペースが伸びる。

 

一段降りたところに喫煙スペース。

緑が鮮やかな夏の夕刻。

 

裏手の庭園はなかなかに広い。ちょっと夏のこの時期は緑が生い茂りすぎている感じもするが…

以前このあたり歩いたときに見た感じだと、1階にも玄関があった用な感じがするが、今は使われていないのであろう。

 

館内には至るところに階段があり、迷路のようで楽しい。

しかし撮影するにはちょっと薄暗い感じで手ブレが酷くなってきたので、探検はまた明日の朝することにしよう。

 

さてお待ちかねの夕食。

この日泊まっていたのはぼくたちのほかはもう一組だけであったようなので、空いていた隣室に膳が用意されていた。

 

いただきます。

 

当然のようにビールを注文するが、仕事終わりでお腹すいてたのもあったのでいきなり白飯も食べます。

ワンコが羨ましそうに見てる…でも君さっきご飯食べたでしょ…

 

酒も飲む。

聞いたことのない銘柄だが香りが高く、やや辛口で美味いな…と思って調べてみると、「貴」「男山」で知られる永山本家酒造場のもので、県内のとある酒販店のみでの販売らしい。

地場の旅館や居酒屋で提供される、有名地酒の等外とかって一番レア感あるし美味くてお得感あるよね。

 

美味しい食事を頂いた後は湯に通いましょうか。ワンコは妻と交代で面倒見ます。

 

静けさとは裏腹に、じっとりと熱を感じる夜。

ぬるい風が抜けていく。

 

湯上がりだろうか、ベンチに腰かけ紫煙をくゆらすおじさん。

昭和の夏があった。

 

過去記事でも書いたが、殆どの宿が内湯を持たないこの温泉郷では「町の湯」と「白猿の湯」の共同浴場が2つあるのみ。以前はもうひとつ(川の湯)あったのだが廃業してしまった。

さて、今日はどちらに入ろうか。

 

しばし逡巡したのち、「町の湯」「川の湯跡」の前を通って「白猿の湯」へ。

「町の湯」は早朝からやっているので明日の朝入ろうか。

 

お隣の長門湯本温泉に団体客も宿泊できる大型旅館や観光ホテルが並ぶのと対象的に、俵山温泉では個人向け旅館が昔ながらの風情を残したまま佇む。更にそれほど離れていない場所には湯免温泉と、長門市は良質な温泉の宝庫だな…なんてあるきながら考えていた。

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普段は外風呂とか内風呂だとかあんまりこだわりがないが、今宵は露天風呂で月を見上げながらのんびりするのも良いかもしれない。

白猿に由来するから「白猿の湯」。

そんな当たり前のネーミングをする心を現代日本人は失くしてしまった

変な名前の高級パン屋、あなた達のことです。

 

浴室内は撮禁のため写真はないが、入浴価格が公衆浴場にしてはやや高めな設定なのもありとても綺麗で広い。洗い場の数も多く、鄙びた温泉街の施設と侮るなかれ。

俵山温泉の源泉は5つあり、①町の湯泉、②川の湯泉、③正の湯泉、④森の湯泉、⑤河内源泉と名付けられる。

このまちの2つの公衆浴場は、浴槽を1号湯・2号湯という名称で分け(珍しい気がする)、それぞれ異なる源泉を引いている。

 

この白猿の湯では1号湯は無き「川の湯」の川の湯泉を完全放流式にてかけ流す。無色透明でとろみのある柔らかな湯感。やや温め(38℃ぐらい?)で夏は長湯が捗る。

冬場は日によって若干の加温あり。

2号湯は「薬師混合泉」という名前で5種の源泉をミックスしたもの。マイクロナノバブル発生装置あり、加温あり。

露天風呂は同じく5種の源泉ミックスだが、「白猿混合泉」という名前で少し成分量が「薬師〜」と違うようだったので配合が異なるのであろう。

 

「町の湯」の泉質についてはまた後日の記事で。

 

ちょっと話が逸れるが、俵山には幻の6つ目の源泉というものがあったそうな。

これは以前訪れた際に撮影したものであるが、この建物は「富士屋旅館」という名前の、俵山では珍しく内湯を備えた旅館であった。

 

しかも唯一の自家所有源泉というから驚きだ。名を「藤本泉」という。

 

惜しむらくは10年ほど前に閉業してしまい、入浴が叶わなくなってしまったこと。

どなたか活用してくれないかな…

 

閑話休題

さ、宿に帰りますか…

 

明日来るから待っててね…。

 

宿ごとにそれぞれの個性がある。

 

宿に帰ってきました。妻とワンコの世話を交代してお留守番。

 

先に宴を始めていようと思います。グビグビ…

 

戻ってきた。

 

さ、そろそろ寝ましょうか…

 

おやすみなさい…

 

今回はここまで。

それでは。

つづき

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