おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

東京都品川区 : 百反通り 〜 戸越銀座商店街とその周辺(1)

学生の頃に住んでいたまちを少しだけ歩いた

10年と少し前に過ごした場所を久しぶりに訪れて、あのときの記憶を探した記録。

前回の記事

 

西品川。ぼくが学生時代に一人暮らしをしたまち。

山口県から上京してきたばかりの田舎者は、都会でのアーバンかつスタイリッシュな暮らしに憧れつつも、理想と現実との乖離は大きく(代官山や青山なんかのおしゃれなところに住みたいと考えるも、毎月の仕送りとバイト代をアホみたいに洋服代に費やしてしまうので、家賃の高いトコに住むのがもったいないという事情。あと大学から離れたところに住むと、性格から言ってきっと授業行かなくなるとかいう理由)、下町の風情もあり、どこへ行くにもアクセスがそこそこ良い…みたいな条件で探したところ、大崎駅から徒歩7,8分の賃貸マンションを見つけ、ここ住むことにした。

 

 

この駅で降りるのは何年ぶりだろうか…

大学卒業後も東京へ来る機会は頻繁にあったものの、わざわざこのまちに訪れたことはない。なぜか今回思い立ってぶらりとやって来たものの、これといって目的もない。

まぁいつものように当てもなくうろつきますか。

 

 

大崎駅は便利だ。

普段よく服を買いに行っていたまちへは山手線ですぐ。しかも始発駅なので朝早く出かけるときは間違いなく座れるし、終電もここなので寝過ごす心配もほぼない。

その他にもぼくは埼玉へ行くこと多かったのだけれど、埼京線湘南新宿ラインで大宮や熊谷へ一本で行けるし(こっちは寝過ごすとエライことになる)、帰省の際に羽田空港へ向かうときにもりんかい線が使える。隣の品川駅から京急って手もあるし。

 

 

駅周辺にはオフィスビルの他、飲食店やスーパー・ドラッグストア、書店などは当然揃っているし、フットサルのコートまである。うーむ、実に都会的だ(と思ってしまうのは田舎者故だろうか…)。

ペデストリアンデッキを抜け、百反通り方面へ。

 

 

百反通りはかつて階段状の通りだったそうだが、現在は坂道になっている。

少し登って左に折れる。西品川地区。

懐かしいな、駅からマンションまでこの道通ってた。

 

 

おわ!立派な石蔵。

学生の頃はこういった町並みにあまり興味を持ってなかったので、何気なく見過ごしていた風景だけど、今見ると住宅地にあってその威容は少し異質に感じてしまう。

 

 

しかし案内板などが特に設置してあるわけではなく…

かつての品川宿の近くでもあるから、その名残であろう。

 

 

通学路と書かれた古い琺瑯看板。

そうそう、マンションのすぐ向かいが小学校だったな。

 

 

路地から覗く高層ビル。

ちょうどこのあたりが「都会」と「下町」の境目なんだろうな、と感じる。

 

 

そうこうしていると住んでたマンションに到着。

当たり前だが、ぼくの部屋だったところには既に誰かが入居していた。

少しの寂しさを覚える。

 

 

すぐ近くには神社があった。飲食店でバイトしていたこともあってか、部屋で自炊する気に離れず、いつも外食かコンビニ弁当だったのだけれど、縁日のときは出店の焼きそばなんかを食べたのを思い出す。

 

 

気温は高いが木陰は風が吹いて気持ちいい。
 
 

缶コーラを飲みながら歩く。
 
 

奥に見える高層ビルは、ぼくが住んでいた頃にはまだなかったように思う。
10年余りでこんなにも変わってしまうのかと驚くほど、東京の時間は早く過ぎてゆく。
 
 

ああ、この古いアルファロメオは変わってないな。
光のようなスピードで過ぎゆく都会の季節の中で、それでもぼくが過ごしたまちは少しだけ確かに残ってた。
 
 

引っ越してきた日、運送業者の人に缶コーヒーを自販機で買って渡そうとして、あいにく小銭がなくて近所のタバコ屋に走った。あのタバコ屋はどこだっけ。ここではないと思う…。
 
 

たまに行ってた定食屋、今も頑張ってた。味は…覚えてない。
 
 

昔の六厘舎本店は住宅街にあるのにいつも大行列だった
近所だからあえて雨の人が少ない日に行ってたな。
 
 

新しい住宅が立ち並ぶ中、古いアパートが残っている。

 

 

どんどん新しくなっていくまちのなかで、必死に「むかし」を探していた。
これじゃ変わりゆく価値観についていけないバカみたいじゃないか。そうか、おれはバカだったのか。
 
 

なんだその目は。
 
 

ポッキーのチョコだけ舐め取るみたいな。
 
 

ここにあったはずの何らかが解体されていた。

一体何が建っていたのか、もう思い出せない。

 

 

で  す  ね  !!
文字詰めが気になる。カーニングしようね。

 

ビスポークのテーラーなんてあったんだ。
少しはこのまちのこと知っているつもりだったけど、知らないことだらけだ。
 
 

さて、今回はここまで。

それでは。

つづき