たった5分間の航海。
うだるような暑さの中、潮風を受けながら海峡を渡る。
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あづい。暑すぎる。
毎年夏が来る度に「昔はここまで暑くなかったよねぇ」なんて台詞を吐く様になったが、単純にそれは地球規模の気候変動によって気温が上昇していることのほか、歳を取るにつれて体力が落ちてきてるという事情もあるのだろう。30歳後半ともなると、炎天下に繰り出すのに"覚悟"がいる。
汗の質もなんか子供の頃と違ってきてるんだよな、酒のせいなのかな(中年男性の悲しい悩み)。
この日もとても暑かった。
2022年9月、門司港へと向かう。
いつもと違って今回は船で九州へ。
7月に東京に行った際、はやり病で会えずじまいだった友人が来福するというので、(ほぼ)ホームタウンである門司を案内しようという魂胆である。さらにタイミングよく、別の友人から階段巡りのお誘いが来たので、せっかくなら3人で会いましょうか、と相成った次第。
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さて、5分間の短い航海の始まりである。
船は風を切って進む。うねる水面、跳ねる飛沫。
暑いのは嫌いだが、やはり晴れていないと面白くないよな。
あっという間に到着。
さて、待ち合わせまでまだ少し時間があるので、腹ごしらえでもしとこうか。
栄町銀天街を抜ける。
目指すは中央市場方面。
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今日のお昼はここ、たまやうどん。
最近じわじわと各地に進出しつつある、北九州発祥の「肉肉うどん(生姜の効いた牛ほほ肉が特徴のうどん)」をメインに据えているのだが…
ここで注文するのは決まってこれ。
何故かうどん屋さんなのに本格的なステーキに力を入れているのかは定かではないが、美味いんだよこれが。
複数のソースや卓上の調味料を使って味変しながら食べ進める。
食後のデザートは女将さんの手作り。毎日気まぐれでいろんなものを作っているのだそう。
ちょうどごはんを食べ終わったところで着信が。
件の階段巡りに誘ってくれた友人が到着したそうな。合流し、清滝地区の階段を攻めていくことにしよう。
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久々の再会に積もる話もあるが、まずは歩こう。
狭い路地に分け入って行き、むつみ関門荘さんの前を通り過ぎる。
以前にも載せたことがあるような気がするが、渡り廊下を持つ家屋。
料亭文化で華やいだ地区であるから、ここもそのひとつだったのだろう。
北九州といえば鉱滓煉瓦。緑がアクセントになっている。
ともに歩く友人にお気に入りの階段を案内しながら、彼女のファインダーで切り取られた風景がどのようなものなのかを想像して楽しむ。
夏の木々の間に見えるのは、タイル使いが特徴的な家屋。
海を望む高台、社叢を抜けるとこんなお家があるなんて、本当に粋だよなぁ。
側面も抜かり無く。
ここを訪れる度に思うが、何度見ても素敵なお宅である。
石畳の良さ。
木陰といえども、太陽のヤツと来たら抜かり無く仕事をしやがる。
暑い。
路地から覗く、そびえ立つビルディング。
少し移動して丸山吉野町へ。
この階段はどうしても彼女に見てもらいたかった場所の一つ。
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夜、街灯が点いたりするのかな。
雰囲気があって良さそうだ。
道幅の狭い丘陵地区での生活はきっと苦労も多いだろう。
まして老人の多い門司区、しかしそれでも惹かれる"何か"があって、ここに居を構え続けるいる人たちが必ずいるということを思うと、その暮らしはとても尊く感じられる。
さて、もう一人がそろそろ到着するというので、喫茶店で待ち合わせをすることにした。
喫茶リバー。何回目かの来店だが、この店では足元に注目したい。
海外から取り寄せたというタイルは、あまりにも美しすぎて…
これらは過去に撮影した写真。ここはかつて旅館が営む喫茶だったらしく、いまでも店外には旅館の屋号が掲げられている。
イチゴのソーダ水を飲みつつしばし談笑していると、"彼"がやってきた。
はじめまして…ではなく、窓越しに一度お会いしてましたね。※上記、東京での過去記事参照
フォロワーさんに合うたび思うのだが、こうやって膝を突き合わせて会話をするのは始めてでも全くそんな気がしない、旧知の友人のようだった。
やはり感性が近しいのであろうか、それを共有できるというのは嬉しい。
この後も楽しい時間になりそうだ。
さて、今回はここまで。
それでは。
つづき