「豆田の天守閣」から見渡す、商店街の町並み。
展望楼のみならず空中庭園を備えた華やかな意匠に目を凝らす。
前回の記事
いよいよ日本丸館の最上階へ。
階段室横に、屋根裏倉庫のような空間。
大きな鬼瓦が置いてあった。
「中三階」とある。主屋と蔵でそれぞれ階高が違うことは以前に書いたが、現代的に言うとスキップフロアのようになっており、収納スペースが多そうだ。
展望楼。
窓の外には周囲の建物の「つむじ」が見える。
町内どころかかなり遠くまで一望できる。
なるほど、「天守閣」の二つ名は伊達ではない。これはお殿様気分になるわ。
おや、あそこ(写真中央)にも3階建ての和風建築。
あれは旅館のようだ(調べてみたら結構良いお値段するわね)。
十分に景色を堪能したところで別の所に移動しようかと思っていたのだが、実はこの建物にはもう一つ見どころが隠されていた。
前回も載せた蔵3階部分の写真だが、赤い矢印で示した展望楼(母屋3階)へ続く階段とは別に、緑の丸で囲ったところに主屋2階へと繋がる階段がある。行ってみよう。
少し降りると細い廊下。そのまま進むと…
そこにはなんと大広間と庭園。表通りからは見えないようになっている。
っていうか庭園て!?ここ2階ですよ!空中庭園だ。
長押は杉の一本造り。本座敷24畳と控えの間8.5畳、それぞれ床を備える。
奥(というか道路に面した側)には33畳の広間もあるが、現在貸しギャラリーになっている。そちらはもとも客間だったようで、前回載せた1階唐破風の玄関からのアクセスになっており、家人と顔を合わせないような造りになっているそうだ。
廊下も松の一本造り。庭園にはかつて滝が作られていたらしい。
なんと豪奢な。
左手、更に奥へと進む。
1階へと降りる階段もあるが、こちらへは立ち入れない。
また小さな階段を降りる。
渡り廊下の途中には御手洗。
タイルの設えが洒落ている。
不思議な造りの廊下を抜けると…
こちらは隠宅。
帰りしな、とても美しい螺鈿の箪笥を見た。
期待を上回る楽しさだったな、日本丸館。
さて、周辺をもう少し歩こうか。
おや。
あれはさっき展望楼からみた木造三階建ての旅館。あっちも天守閣って言われても違和感ないな。
立派な卯建の上がる商家。雉(?)と兎の装飾も可愛らしい。屋根の上には大黒さん。
こりゃまたお洒落だねぇ。
さて、今回はここまで。
それでは。