おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

島根県邑智郡 : 川本町の町並み

「音楽の町」と呼ばれる石見銀山の玄関口。

県内で唯一、平成の大合併を経験しなかった小さな集落で、かつての繁栄の名残を探す。

前回の記事

 

早起きして旅館の周辺を散策した後、向かったのは島根県のほぼ中ぽうに位置する川本町

 

三江線が全面廃止になってしまったため、駅舎はあるものの鉄道は通っていない。

かといってアクセスが悪いかといえば、バスの便がそこそこあるようでそこまででもないようだ(良いとは言ってない)。

 

 

時刻は8時過ぎ、真冬の山間の集落だけあって霧が濃い。

早速散策していこう。

 

 

「ビヤガーデン」の看板から感じる昭和のかほり。

 

 

川本町は"コンパクトタウン"を標榜しており実際に居住部の面積はかなり小さいのだが、病院や学校、金融などの公的サービスや商業施設などが整っているほか、町内全域に光通信サービスが行き渡るなど、比較的住みやすいまちであると聞く。マイカーは必須であろうが…

 

 

商店(跡)や団地など、少し歩けばたくさんの良い雰囲気のタテモノ。

 

 

その中でもこのお店はちょっと見逃せなかった。素敵な外観…。

 

 

「喫茶スナック ボン」。9時前だというのにもう営業を開始していた。

寄ってみたかったが…目当ての店が他にあるため今回は断念。

 

電柱に設置された看板もかわいい。よく見るとハートとクローバーが隠れてる。

 

 

少し明るくなってきた気がするが、まだ霧がかかっているのかそれとも曇天なのか、どんよりとした空模様。

 

 

ホント良いフォントだよ。

 

 

古くからありそうな歯科医院、2階が診察室のようで機器が見える。

 

 

この通りがメインストリートだろうか。

 

 

アシンメトリーファサード。2階左側の窓どうなってるんだ。

 

 

目当てだった喫茶店はこちら。「喫茶K」。

和洋折衷の建物で、年季を感じさせるが内部はキレイに整えられているらしい。

朝も8時から営業とのこと。このへんはモーニング文化があるのかな?

お茶していきましょう。

 

 

……あるぇー?閉まってる…と思ったら臨時休業の張り紙。

霧深い山間の集落に慟哭がこだまする。

 

 

しかしこの建物カッコよすぎるな…。

 

 

こちらの建物もたまらない。「洋服専科 タタラ」。

多々良さんが店主なのかな?と思ったが"たたら場"から来てるのかな、中国山地だし。

 

 

そういえば前文で書いているように、川本町は"音楽のまち"を掲げている。その由縁は…

「音楽の町」として知られる川本町。かつて島根県立川本高等学校(現島根中央高等学校)吹奏学部が全国コンクールで度々優勝を飾ったことから、昭和60年の合併30周年記念式典で「音楽の町」を宣言しました。以来、音楽をモチーフとした施設が町に多数誕生することになります。

川本町観光協会 ぶらり、かわもと。

とある。確かに島根県は全国屈指の吹奏楽強豪県で、ぼくの世代でいうと島根県吹奏楽の雄といえば出雲一中だったり出雲北稜高校のイメージが強いのだが、それより以前は川本高校だったのね。全国大会で"優勝"という表現はよくわからんが…(全国大会が順位制だったのは昭和44年までで、それまでに川本高校が1位だったことはない。とはいえ素晴らしい成績を納めていたのは間違いないのですが)。

というわけでまちには規模に似合わず1000人規模のホールや野外音楽堂があるし、宿泊研修施設も備えている。

 

 

こちらの立派な純和風建築は元旅館だそう。

 

 

灰色の空がよく似合う町並みは、景観の保全を目的としたのもではない。

交通の要衝である宿場町には、住人たちのリアルな生活がある。

 

 

経済成長期頃の雰囲気を纏った低層のビルと、宿場町の名残を感じさせる日本家屋が混在する。

 

 

この建物も窓枠の感じからしてなかなか古そうだ。

 

 

先程の「喫茶K」の裏側。かなり歪みが出ているようだ。

もともと個人宅として建てられたものなのだろうか?なかなかに洒落ている。

 

 

ああいう洗濯物干し場、ウチにもほしいよなぁ。

 

 

中通りには飲み屋が密集していた。味がある。

 

 

洋風意匠をもつ木造三階建ての旅館。また来ることがあれば絶対ここに泊まろう。

 

さて、今回はここまで。

それでは。

つづき

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