石見国の海沿いを南下。道中立ち寄った無人駅と、石州瓦の産地の町並み。
商人の町として繁栄した名残の大型屋敷群が、夕日に染まる時間帯。
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仁摩地区を散策したのち、更に南へ。
石見福光駅へとやってきた。
特に何か目的があるわけではないが、なんとなく今までの島根まち歩きで培ったカンによると、石見地方では小さな駅周辺ではあまり再開発が進んでおらず、古い建物が残されているフシがある。
とかなんとか行ってたら本当にあったよ。
ゆうちょATMの名残があるし、郵便局跡でしょう。
しかし建物や瓦には逓信省マークが見られないから、公民館とかの転用かもしれない。
ATMがあるってことは、少なくとも平成の時代までは現役の郵便局(簡易局?)だったのだろう。
駅前通りには元旅館かと思しき建物も見られた。とはいっても倒壊しそうである。
しかしいくつかの建物は取り壊されてしまったようで、更地になってしまった区画も多く見られた。
ちょっと移動して黒松駅近くにある旧黒松郵便局。
窓の格子が美しい。
一見きれいな状態が保たれているが、何かに活用出来ないものだろうか。
黒松の集落内、郵便局へ向かう途中に水路付きトンネルを発見。やっぱ島根はこれ多いよな。
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まだまだ南へ。浅利駅を過ぎたあたりだろうか、海岸線を走ってたらビュースポットを発見。
風力発電の風車と砂浜。白波が打ち寄せる。
江の川を渡って江津駅前を通り過ぎる。今回は江津市街地はスルーして和木地区を通ってみると、平屋建ての家屋が立ち並ぶエリアがあった。
これといって何かあるわけでもないが、のんびりとしたが時間が流れているように感じた。
木材の橋桁をコンクリで固めた橋を見つけたので近づいてみると…
電柱!なんかこれも仁摩でついさっき見たような気がする。
島根…底が深いぜ…。
方丈ラーメン構造だが、橋脚細くない…?大丈夫かな…
目的地の都野津(つのづ)地区へとやってきた。
これは国登文の旧都野津町役場で、現在は佐々木準三記念館(都野津会館)として公民館的役割を担う。
佐々木準三さんって何をされた方なのだろう?建物はこう見えて木造で、スクラッチタイル風の人造石と、柱風に見せるファサードで重厚感がある。
内部も見学してみたかったが、ちょうど閉館時間であった。残念…
このあたりは古くは主に石州瓦を生産する窯業で栄え、その後は衣類の行商人の拠点として開けたようで、大型の家屋が目立つ。
緩やかに子を描く通りに、夕陽が降り注ぐ。
歩いていると、立派な門柱(?)と洋風意匠の塀を見つけた。
なんどろうと思っていたら後ろに古そうな医院が控えていた。
更に視線をずらして驚く。古いと思っていた医院ビルに接続する擬洋風建築の医院。しかもこれ現役っぽいな。診療設備はさすがになさそうだが。
昭和初期頃だろうか、左右非対称な造りがなかなか洒落ている。
街道沿いだからであろう、間口こそ広くはないが、奥行きのある家屋が多い。
やや洋風意匠みある。
冬は日が落ちるのが早いなぁ…
めちゃめちゃ寒かった記憶がある。
呉服屋さんの店先にタバコカウンターがあるパターン、ときどき見るよね。
立派な塀を持つ家屋が連なる。
武家屋敷地区ではないのに門があるということは、やはりそれなりに大きな庄屋があったのだろう。
朱い石州瓦の色合いが、より一層深くなる黄昏時。
角を曲がる度に良い路地が見えてしまうので、このままでは日が暮れてしまう!
厨子二階の壁面に衣装が見られる。
この時間帯にこの町並みを見れて良かったな…
これは改めてまた訪れなきゃ…と思わせる町並みであった。
スタート地点の旧役場付近へ戻ってきた。
さて、宿に向かおう…
今回はここまで。
それでは。
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