島から戻り、本日の寝床へ……しまった、宿を決めてなかった。
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保戸島からの最終便で本土に戻ったはいいものの、朝思いつきで出かけたもんだから宿のことを何も考えてなかった。
いくつか泊まってみたかったところに電話するも、全て満室…ちょっと涼しくなってきて行楽シーズンですものね。そりゃそうだ。
とりあえず温泉でも入ろうか…と思いふらりふらりと彷徨いつつ、やってきたのは竹田市の長湯温泉。
山間を流れる芹川に沿う形で温泉街が形成されており、その湯の炭酸濃度や湧出量から「日本一の炭酸泉」と呼ばれる。
ここを本日のキャンプ地とする!道の駅が温泉郷内にあるので車中泊できるのだ。
気候もちょうど良いしね。
さぁ、まずは腹拵え。っていうか島に渡る前にパン屋さんで買ったパンを食べたぐらいで、朝からロクに食事してないのよね…。
時刻は20:00をまわったころ。温泉郷内にはいくつか飲食店や商店、居酒屋があるものの、基本的に閉まるのが早い。
もうだいぶヘトヘトだったので店を探す気力もなく、とりあえずこの「正直屋」さんに飛び込む。これがなかなか当たりだったのですよ。
料理が給されるまで茶をしばく。ビールも頼もうかと思ったが、道の駅の駐車場が微妙にいっぱいだったので、また車を動かす必要があるためここは我慢。
大分ということでベタにとり天定食を。
ふわっと揚げられた衣を纏った鶏肉は軽い食感で米が進む。
さて、腹ごしらえも済んだので入浴しましょうかね。
やってきたのはこちら。ラムネ温泉館。
日本一の炭酸泉を謳うこの地を代表する施設だ。有利二酸化炭素なんと1,380mg/Lという高濃度。
ちなみに暗いので分かりづらいがかなりモダンな外観をしており、それもそのハズ。
設計は建築家の藤森照信氏、ロゴとキャラデザインは南伸坊氏なのだ(このブログ的には赤瀬川原平氏との関係についても語りたいが…またの機会に)。
受付を済ませ、大浴場へ向かう。
土曜の夜にもかかわらず、なんと貸切状態!
こちらは熱い温度の内湯。
こちらがシュワシュワの露天ぬる湯(炭酸ガスにつられて虫がやってくるので上に幌が掛けられています)。ぬる…というか32℃前後なのでちょっとひんやり感じるが、しばらく浸かっていると炭酸パワーで血流が良くなるのか、しっかりあったまるのを感じる。
とはいえ湯冷めしやすいのでもう一度熱い湯に浸かりましょう。
受付兼売店に戻ると、閉店間際ということもあり店じまいの準備をしていた。
ここには看板ネコチャンが数匹居るのだが、そのうち一匹がすやすやタイム。
スヤァ…
藤森氏のスケッチ。
オリジナルのタオル。可愛くって2枚購入しちゃった。
密の駅に車を移動させて一服。
静かな夜だ…
さて、長湯温泉といえば忘れてはならない名湯がある。
野湯なんですが、まぁこれが超オープンでなかなか入るのに勇気がいるという…
しかし時刻は22時過ぎ。そぞろ歩きをする人も少ない時間帯なので、人目を忍んで入湯するにしよう。
というわけで"ガニ湯"にやってきた。
芹川沿い、向かいの宿から丸見えである。以前はカルバートの下に脱衣スペースがあったのだが、現在は撤去されており丸見えである。
野湯といえばこちらも
沈没。ああ、開放感あって気持ちええ…が、微妙に通行人に「すご~い、あそこ入ってる人がいる!」なんて言われたりするので、微妙に落ち着かない。
しかもちょっと温度が低くてなかなか湯から出られない!
なんとか湯から這い出て、湯上がりの散歩。10月ということで涼しいぐらいかなと思ってたら、山間ということもあり結構寒い。車にブランケット積んどいてよかった…。
もう一本缶チューハイを開け、就寝するとする。
翌朝、夜明け前に起きて温泉街を散歩する。
ひんやりとした朝の空気と、川のせせらぎ。
早起きしたのはここに来るため。
長湯温泉療養文化館 「御前湯」。
風土記のころに起源を持つこの温泉に、宝永3年、岡藩によって普請された入浴施設。一番風呂を堪能。露天は湯の花びっしりであった。
ヘキサゴンの浴槽に、オクタゴンのドーム型天井。
車中泊で冷えた体をほぐし、一日の始まりに備える。
休憩スペースや各部の意匠なども凝っている。設計は富田玲子の象設計集団。
洋風の外観は、炭酸泉で有名なドイツのバート・クロツィンゲン市と姉妹都市であるが故か。
川にせり出したバルコニー部分。
さて、朝の温泉街を散策でもしましょうかね。
昨日夕食を頂いた「正直屋」さん。
天候は少しどんより。
湿度を纏った冷たい空気を吸い込めば、湯で火照った体に心地よく。
今日は昨日の島での階段巡りの疲れもあるので、いくつか温泉を巡って体を癒し、夕方にはお家目指して帰ろうかな。
とりあえずもう一回ガニ湯入っとこうかな。
まだ人はあんまり歩いてないし…
さて、今回はここまで。
それでは。
つづき