おなかがよわいお坊さんはあわてない

おなかを壊しやすい僧職系男子、まち歩きのススメ。

萩市の近代建築

かつての長州の藩都にて、武家屋敷の立ち並ぶエリアにモダンな洋館が。

意外だと感じるも、ここは明治維新胎動の地。そうか、当時の最先端をゆく傑物たちが集ったまちだと思い至ってすぐに納得。

前回の記事

梅雨の晴れ間になんとなく出かけたものの、特にこれといった目的もなく…

なんとなく北へ向かいながら、道中気になった集落へ立ち寄ったりしつつ、萩城下町へ。

 

あてもなくぷらぷらと散歩をするだけ。まぁそれでもじゅうぶん楽しいのですが。

何度訪れたまちであっても、歩くたびに何か発見があるし、季節が違えば見せてくれる表情も違う。

 

堀内地区 萩高校の前を歩いていると、敷地内に何やら古そうな建物が。

ガラスが波打つ古い建具がそのまま底されている。

 

 

萩高校正門。歴史を感じさせる立派な風格。

 

 

正門前から中を見てみると、素敵な擬洋風建築。

こちらは旧萩学校教員室。萩高は毛利の藩校である明倫館の流れを汲む名門で、かつてはその敷地内にあったというが、何度かの移築を経てこの地へ復元された。現存する市内最古の洋館建築だという。

 

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印象的なのは破風周りの装飾。

バージボードという垂れた板が繊細。オフホワイトとピンクの色合いが優しい雰囲気を醸す。

 

 

背面から。ニ階部分には鎧戸を配す。

 

…そうだ、今回は萩の近代建築巡りをしようか。

萩市内というと重厚な武家屋敷のイメージが強いが、実は意外と洋風建築が多いのだ。

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これも堀内で見つけた洋館付き住宅。

現在もお住まいの方がいらっしゃるようで、キレイに手入れされている。

 

 

こちらは古萩町で見つけた洋館付き住宅。

リフォームされているため新しく建てられたもののように見えなくもないが、紛うことなき近代建築。かつては花屋であったようだ。

和風部分との接続がいきなりで面白い。

このへんも深掘ればまだまだ洋館残ってそうな感じなんだよなー。

 

こちらは瓦町のゲストハウス的な建物。

古くからの擬洋風建築か、はたまたそれを模して造られたのか…

 

 

破風周りの装飾はそれっぽいなぁ…

 

他にも田町商店街のなかにいくつか洋風衣裳を持つ建物が見られるのだが、それはまたの機会に。

さて、次はぼくが萩で一番好きな建物を紹介しよう。近代建築と言うかモダン建築だが。

 

大型のクルーズ船をイメージさせるような建物は萩市民館

1969年竣工、菊竹清訓の設計による複合施設は、RC壁と大型のガラス建具の上に載せた箱屋根でメタボリズムの理念を体現する。

菊竹建築のなかでも一番好きまである。

 

 

入っていきます。

 

 

壁面の大部分から採光しているため、館内は時間帯によって大きく雰囲気を変える。

ぶちゃっけホワイエでの展示は見づらい…^^;

 

 

こちらは小ホール。高さのある戸がまるで教会のような厳かな風格を漂わせる。

 

 

少し高い位置から。展示内容が微妙に異なったりしてるのは撮影日が複数に渡っているからです。

内部は天井を張らずにあえて鉄骨トラスを見せ、無柱で開放感のある空間となっている。無数の照明が点灯するとまるで星空のよう。照明デザインは石井幹子。

 

 

小ホールの中へ入ってみます。

 

 

ホール内は変形六角形のような形状。

写真上の右側のカーテンが掛かっているところは、小ホール側面の二階部分に当たる第3会議室で、ガラス張りになっており互いの室内が見えるようになっている。ともすれば平面で考えてしまいやすい空間を、3次元的に活用する。

 

 

まーた反対側の壁がインダストリアルでカッチョ良いのよ…

これにときめかないオトコノコはいないはず…

 

 

張り出したエアコン(だと思う)までデザインに調和する。

 

 

そして向かいの大ホール入口。

 

 

とても気になる穴。

 

 

入口横には小ホールと同じような謎の穴。換気口かしら?

 

 

大ホール内部を客席後方から。

無機質なコンクリの質感と、真紅のフロア、近未来的な上部空間と、異なるテクスチャが不思議と整合性を持って同居する。

 

 

お気に入りは側面のガラス部に反射する照明。

 

 

遠くの夜景を眺めているような錯覚を起こしてロマンティック。

 

 

ステージ側から。

ここで何度か演奏したこともあるが、演奏中は客席側照明を落とすので、実はこの状態で見るのは舞台上から見るのは初めて。

蝶の羽のように広がる光源が綺羅びやかでうっとり。

 

 

客席側最後部にも突き出した穴!やっぱ換気口っぽいな。

 

 

壁面の接続にさり気なく配されるガラスブロック。細部まで抜かりがない。

 

 

インジケーターのデザインも凝っている。

例の穴をはじめホール内には円状ののモチーフが多いから、単なる時計も意匠として溶け込む。

 

花道のデザインも面白い。舞台から見て客席に沿った方向にそのまま出入りするホールが多い中、客席から見える方向から出てきて舞台に向かうスタイル(この写真だと木フロアを壁まで進んで左に折れる)。

客席にもそのままアクセスできるのも面白い。

 

 

バックルームも見ていこう。舞台背面に位置する楽屋群には搬入口を兼ねたステージ下手側の舞台袖からアクセスする。上手側はホワイエから回り込むよう廊下がつながっているが、そこまで広くはない。

 

 

こちらも採光は充分…とはいえ夏場は暑いんじゃなかろうか。

 

 

楽屋にも丸窓が配される。畳の楽屋スキー。

バックステージには個室楽屋と上写真の2つ、小さなラウンジスペースと練習室が1つ、男女別のトイレが設置されている。

自体を考えれば使い勝手は悪くない…がいかんせん通路が狭いので、楽器を持ち歩いてのすれ違いは気を使うだろう。

 

 

楽屋に外から直接アクセスする場合はこちらから。バックルームにいてもガラスブロックから外の様子がなんとなく分かるのは良いね。

 

 

このホールの面白いところは、内部であっても時間帯や天候によって異なった見せてくれるところ。壁面の構造体がガラス建具ゆえの恩恵。

 

 

まるでプラネタリウムのような空間にひとり佇む…

萩の夜に満天の星。

 

さて、今回はここまで。

それでは。