今回の階段巡りは、下関から関門海峡を挟んだ対岸、門司港エリア。
門司港といえば、門司港レトロ地区でおなじみの観光地ですね。港町の風情が感じられる街並みに、おしゃれなカフェや雑貨さん。クリエイターのアトリエなんかも多く、アーティスティックな雰囲気のあるまちです。
また、門司港駅舎をはじめ、非常に多くの近代建築があることでも有名です。ちょっとディープなところでは馬場遊郭に代表される赤線地帯や、戦後ヤミ市を起源とするレトロな商店街、かつて船員や港湾関係者で賑わっていた夜の街など、一日中回っても飽きない魅力にあふれています。
ぼくはこのあたりには仕事でほぼ毎日のように訪れるので、ホームタウンと言っても過言ではありません。オススメのお店なんか知りたい方がいたらご連絡くださいね。
さてさて、駅周辺の有名スポットは観光ガイドや雑誌に任せるとして、赤線跡やレトロ商店街を紹介……するのはまた今度に。今回は階段です。
以前、下関の階段巡りのときにでも書いたように思いますが、北九州は非常に階段や坂が多い街です。近年は大雨や台風によって土砂災害が頻発しており、これらの対策が喫緊の課題とされています。
とりあえず門司区の端っこから攻めていくか…ってことで旧門司。
門司港駅のある西海岸の隣町です。ちなみに旧門司ってのは通称じゃなく地名です。
はい、いきなり海の見える階段。
夕陽を受けて輝く水面。ここに座ってお酒を飲みたい。
対岸は下関。
今回は見下ろす構図が多くなりそうです。だって海がキレイなんだもの。
高さ、幅、導線…全てのピッチが規則性を持たない。
階段を散策中、気になるものを発見。
これはいったい何だろう?
近づいてみる。
「大日本麦酒」と読み取れる。埋まっている文字は「會社」か?
門司には確かに大日本麦酒(アサヒビールやサッポロビールの前身)の工場があったが、このエリアではない。大里(門司駅近く)に一部が現存するレンガ造りの大きな工場だ。現在は記念館として保存されており、レストランや貸しホールとしての営業も行っている。それはまた別の機会に紹介しよう。
しかし何故、民家(もう既に住んでなさそうだが)横の土地に、このようなものがあるのだろう?ご存じの方、情報お待ちしております。
さて、階段に戻ろう。
左右で全く違うテイストの階段を、真ん中の水路が中和する。
暗渠と階段。
たまに見かける、ガスメーター点検用のちっちゃい階段。なんでそんな位置にガスメーターつけるのか。
階段の下に埋まった石に「三井地所」って文字が読み取れるような気がする。境界石?
門司のまちは三井財閥と関わりが深いけど、さっきの大日本麦酒の碑といい、このへんに何かあったのだろうか?。
フェンスで囲まれた、アクセスできないトマソン的階段。
無用階段でもあり、境界タイプでもある。
反対側から入れた。
港湾部が少し見切れている。
ん?ここにも「大日本麦酒」と思われる境界石が。「麦」だけ読み取れる。
斜面に集落の広がるこのエリア、階段自体も味のあるものが多いのだが、最も印象に残ったのは町の最上部。
階段ハウス。
まるで要塞のよう。これについてはまた次回。
おまけ
散策中に見つけたビルトインお社。
それでは。